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Sorcery doll (ソーサリー・ドール)
【ファンタジー 官能小説】

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レナードの覚醒(後編)-11

ランベール王は以前のレナードと同じ、虚脱して感情が感じられない状態か眠っている状態となっていた。

もう一人、満月の夜が来るのを待ち望んでいる者がいる。

「お兄様、こわい!」
「大丈夫、君たちには僕がそばにいるからね」

ロンダール伯爵は「僕の可愛い妹たち」が奇妙な夢をみて怯えているのを宥めていた。
水面に真っ赤な巨大な満月が浮かぶ。岸辺へカエルが人のように上がってくる。水面に波紋が立っていない。
ぐけっ、ぐげげげっ。
まるで会話するように鳴き交わす異形のカエルは、背は鮮やかな赤色、手足や顔は黒い。
その異形の人ほどの大きさのカエルが迎えに来る夢だと、ロンダール伯爵は「僕の可愛い妹たち」から聞かされた。

(何かが起きようとしているのか?)

学者モンテサンドは、パルタの都の井戸の水位が下がったと住人から聞き、井戸の水位を確認していた。
学者モンテサンドは地震が起きると住人たちに伝え、揺れに気づいたら念のため家から出るように警告した。

「もし、大井戸が涸れたかと思うほど水位が下がっていたら、この都から避難しなければならなかったでしょう。しかしこれならこの都に大きな被害はないと思われます」

モンテサンドから、令嬢ソフィアは説明された。

満月の夜、モンテサンドの予報は的中してターレン王国各地で地震が発生した。王都トルネリカの貴族たちは舞踏会を終えて、それぞれの馬車で満月の月明かりの中を、邸宅や市街地の安宿などに向かっていく。そして貴族たちがベッドで交わっている頃、最初の揺れがあった。

「何なの、この迷路は!」

満月の夜、蛇神のナイフを持つ美少女が忌々しげに叫んだ。周囲の地面から急に高い石壁が出現して囲まれた。
美少女エステルの身体を奪取したシャンリーが、レナードを贄に捧げるためにストラウク伯爵の家に向かっていた。
シャンリーは、満月の夜にスヤブ湖に生贄を捧げる夢を連日みていた。標的の乙女が、以前に拷問でなぶったレナードだとは気づいていない。

ぐぎゃっ!
通路を先に進んでいたカエル人が、見えない大岩でも上から落とされたように圧し潰された。

(ちがう、こっちの道じゃないわ)

シャンリーはカエル人を引き連れて、奇門遁甲の陣の迷路を進んで行く。分かれ道のどちらもカエル人を先行させると、どちらもカエル人は身を焼かれたり、潰されてしまい。シャンリーが前を向いたまま後退すると、分かれ道の通路は消えて、目の前には壁が立ちふさがる。
振り向くと、歩いてきた直線の通路ではなく見通しの悪い通路に変わっていた。
引き連れていたカエル人が一匹ずつ月明かりの下で殺されていく。
シャンリーは、自分の背筋に冷たい汗が流れるのを感じた。命の危険を感じて、緊張している。ナイフの柄を握る手も汗ばむ。
美少女エステルの身体でも、満月の月明かりの下でカエル人たちを引き連れて山道を歩いていた時は、以前の身体よりも呪力の昴りを感じていた。
蛇神のもたらした贄を教える夢に従い、今まで何人も殺害してきたシャンリーだが、魔獣のカエル人が自分の前に這いつくばってひれ伏したのを見て、ついに蛇神の神官になれたと興奮した。

(ここで殺されるなんてありえない!)

ぐげげげぇ!
シャンリーは前後にカエル人を自分を守らせるように歩いていた。
最後尾を歩いていたカエル人の背が風の刃で、ざっくりと切り裂かれ、痙攣しながら息絶えた。

(後退しすぎた。一匹ということは一歩のずれ)

シャンリーは呪術の罠を解きながら、緊張していたが冷静に進んでいく。

「こ、これは!」

王都トルネリカの王の後宮では、ベッドの上で全裸のランベール王の逸物だけが大蛇のように変化しうねっているのを見て、ゴーディエ男爵がうめくような声を上げていた。

(目覚めるのも逸物からとは、王らしいですね。ああ、もうすぐ目覚めます)

妖しい微笑を浮かべた法務官レギーネが異様な逸物をじっと見つめていた。
ゴーディエ男爵は王が愛妾たちと交わる時に、根元まて膣内に沈めた逸物が蛇のように変化しているとは知らない。しかし、レギーネは知っている。

ランベール王が目をカッと見開き、上体を起こし始めた瞬間、ドンッと王都の大地が真下へ落ちるように揺れた。

辺境の森から、ストラウク伯爵領までターレン王国全土に地震が起きた。
スヤブ湖が揺れに波立つ。
だが、ストラウク伯爵領の村人たちは地震に気がつく者は誰もいなかった。
賢者マキシミリアンとセレスティーヌの護りの結界は、村や集落に揺れを起こさせなかった。

「みんな、おいで!」

ロンダール伯爵は自分の寝室にメイドのアナベルに命じて、3人の「僕の可愛い妹たち」を集めさせた。
ロンダール伯爵領は揺れているのが、窓から見える庭の木が葉を枝から落としているのでわかる。
しかし、ロンダール伯爵の寝室では「僕の可愛い妹たち」やメイドのアナベルは揺れを感じなかった。
ロンダール伯爵は「僕の可愛い妹たち」か悪夢をみたのは予兆だと察して邸宅に術を施していた。
ロンダール伯爵の寝室は揺れない。
メイドのアナベルは、ロンダール伯爵の呪術の才能に鳥肌が立つほど興奮した。
目を潤ませているアナベルと3人の「僕の可愛い妹たち」にキスをしたロンダール伯爵は、ただ地震が収まるのを待つしかなかった。

この夜、王宮は一部が倒壊する被害が出たが、崩れ去らずに残った。
だが、市街地や貴族たちの邸宅は全壊する大被害が出た。死傷者多数。

リヒター伯爵領は、微弱な揺れがあった程度である。
ブラウエル伯爵領は、かなり長く揺れたが、建物の倒壊なとの被害はない。ロイドは地震の揺れがあっても気にすることなく、ジャクリーヌ婦人のたわわな乳房にむしゃぶりついていた。

「本当に揺れてるな」

騎士ガルドは肩をすくめて、隣のソフィアに話しかけた。


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