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Sorcery doll (ソーサリー・ドール)
【ファンタジー 官能小説】

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レナードの覚醒(中編)-2

スヤブ湖には大蛇がいて人を喰っていたが、それを討伐したあと祟りを鎮めるために、蛇神の神官が生贄を捧げていた。その風習も失われて、昔話として伝えられている。

「今、辺境の森で起きている事は、スヤブ湖の言い伝えに似ていますな。湖から蛇があらわれ女性を湖へ連れ去っていたというのは、湖に蛇神ナーガの異界の門が過去に開いたことがあるということかと。辺境の森のあとに異界の門が開くとすればスヤブ湖で、今の異変はその前兆ということかもしれませんな」

若い男性の精力が衰え、女性たちが這い出てきた蛇のような触手に凌辱される。そして、蛇神の異界の淫獄へ連れ去られていく。

「セレスティーヌ、僕らはリーナちゃんの恋人のレナードが祟られているのをなんとかしなきゃならないようだ」
「マキシミリアン、私にもわかるように説明してくれるかしら?」

ストラウク伯爵領で起きている異変は、若い男性の肉欲を奪う祟りである。
その祟りが進行すれば男性たちは、肉欲どころか生きる気力すら失い、今のレナードのような生きた人形のようになる。そして、スヤブ湖だけでなくターレン王国のいわくつきの地で異界の門が開き、魔獣なども生成され始める。

「セレスティーヌ、もしも、僕らが蛇神の錫杖をダンジョンで見つけていなければ、どうなっていたと思う?」
「蛇神の錫杖は魔物としてダンジョンで生成されて、蛇神ナーガの伴侶の蛇神の女王ラミアになっていた?」
「そうだ。そして、女王ラミアはダンジョンにいながら、アルテリスやマリカ、あと神聖騎士団の子たちや、ターレン王国にいる才能のある女性たちを、蛇神ナーガに自分の代わりに捧げる。男性は伴侶になれないようにされるか、逆にゼルキス王国の国境にあらわれた肉欲に動かされている徘徊者、弓で射られても死なない蛇神のしもべになって生贄を探しながら、女性を襲うようになる」

ターレン王国の兵士が徘徊者になり攻め込んで来て、魔法の障害に阻まれたのでゼルキス王国へ侵入できなかった。しかし、国境警備をしていたクリフトフ将軍の率いる兵士では殺せず、徘徊者は帰還した聖騎士ミレイユが魔剣ノクティスの刃によって殲滅した。ストラウク伯爵やテスティーノ伯爵がそれを聞いて、遠征軍として従軍した若者たちが辺境の森で徘徊者になったとすぐに気づいた。

「ターレン王国から、ランベール王が募集した遠征軍が出征しました。アルテリスは、旅の途中のパルタの都で王都へ向かう若者たちを見かけています。遠征軍の半数ほどは兵糧不足でターレン王国に戻り、パルタの都を占拠しました。しかし出征した若者たちが、まさかそんなことになっていたとは」

テスティーノ伯爵の声が震えていた。

「アルテリス、辺境の村を焼き討ちにした者たちの名は、ガルドとシャンリーだったのは間違いないか?」
「そうだよ。この子もそうだって、セレスティーヌ様に言ってるし」

セレスティーヌの手のひらの上に乗った精霊フェアリーは、セレスティーヌに焼き討ちにあった村で何があったのか、ガルドと手下たち、シャンリーが何をしたのか、セレスティーヌに訴えるように話していた。

「辺境の森で何があったか、アルテリスはこの子たちから聞いたのね」
「そうだよ。レナードはリーナに辺境で酒場や娼館の女主人でマダム・シャンリーと呼ばれている人がいて、神聖教団の協力者だから会ってみると言ったらしいんだ。リーナには先にターレン王国の辺境の噂を、ゼルキス王国に知らせるようにレナードは言った。人身売買の噂と戦の噂をレナードは調べてたんだ。レナードはターレン王国の情報をシャンリーから集めたらゼルキス王国へ帰るって言ってたらしいよ。戻る時に辺境で焼き討ちされた村をリーナは見つけた。この子たちから何があったか聞いて、シャンリーは神聖教団の協力者じゃなく、人身売買している張本人だってリーナはわかったから、どうするか話し合ったんだ。あたしがゼルキス王国に言って知らせても、話しが通じないかもしれないから、リーナはターレン王国に戻って村の焼き討ちのことをレナードに知らせたかったけどゼルキス王国に向かった。あたしはリーナのかわりにターレン王国に行って、レナードに会って知らせるはずだったけど夜の街道で、この子たちが見つけた時はひどいことになってた。あたしはレナードが賞金をかけられてターレン王国の国境の宿場街で探されてるのがわかったから、リーナのためにレナードを犬頭のかぶりものをかぶせて、獣人族のふりをさせて、レナードの治療ができる人を探して、テスティーノ伯爵様の領地まで来たんだ。伯爵様はストラウク伯爵ならなんとかしてくれるかもしれないって、あたしと一緒に、レナードをここに連れてきたんだよ」
「この子たちも、貴女と旅をして辺境からずっと一緒にレナードが捕まらないように見守ってきた。貴女はレナードの介護をしてきたのですね」
「ここに来てからは、マリカがレナードの介護をしてくれてる」
「マキシミリアン、ここの厄災をなんとかしないと、レナードはリーナちゃんに会わせても回復しないってことなの?」
「レナードは、そのシャンリーっていう女から呪詛をかけられてる。それを解いておく必要がある」

ストラウク伯爵領へ、女伯爵シャンリーが冬の間に捕縛され、春には王都トルネリカで火炙りで処刑されている情報は伝わっていなかった。

「レナード自身を呪い殺す呪詛じゃなくて、もっと複雑な呪いのようだ。セレスティーヌ、レナードがここに来たのも偶然ではないよ。衰弱して心が虚ろになる同じ呪いを、ここの土地の人たちも受けているから、レナードは引き寄せられてきたんだ」
「引き寄せられて?」
「呪いや怨霊は、よく似た心のものを引き寄せあって吸収して力をつけていく」

マキシミリアンが言った引き寄せ合う力についてロンダール伯爵が聞けば、その通りと同意するだろう。

「リーナちゃんは、自分の正体が女神ラーナの化身と知らないからな」


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