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Sorcery doll (ソーサリー・ドール)
【ファンタジー 官能小説】

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レナードの覚醒(中編)-12

賢者マキシミリアンは食器洗いや片づけを済ますと、テスティーノ伯爵とアルテリスと一緒に木刀を持って、ザイフェルトも修行した森の空き地へと出かけていった。

レナードのところには、セレスティーヌがマリカと一緒に行った。
セレスティーヌは精霊たちを視ることができるし、声も聞くことができる。
力の強い人と一緒にいるだけで、影響を受けて力が成長することがある。
アルテリスは僧侶リーナと出会って、短期間だが旅に同行して力に目覚めた。
セレスティーヌと一緒にいることで、良い影響を受けられるかもしれないと、ストラウク伯爵はマリカに言った。

「マリカ、手をつないで」

セレスティーヌのしなやかな指先の手がさし出され、マリカはきれいな手だと思いながら、セレスティーヌの手を握る。すると、レナードの頭の上、両肩、両膝に乗った精霊フェアリーたちの姿がマリカにも見えた。そして、声も聞こえる。

「同じ方法で、リーナの心が封じ込められた錫杖と話すことができたのよ。ストラウク伯爵への想いを聞かせてもらえたから、こうして心を通じ合わせることができた。しかし、マリカがレナードにふれて、同じ事を試してはいけません。マキシミリアンか言っていた心を重ねるとはこういうことです」

マリカはセレスティーヌにうなずいて、5つの淡い光をおびている翅のある小人たちを見つめた。

「貴女たちも話し合いをして、レナードの回復に協力してくれることに決めたとアルテリスから聞きました。マキシミリアンは、テスティーノ伯爵やアルテリスと出かけているので、私とマリカが来ました」

エルフ族のセレスティーヌは美しく、精霊フェアリーたちはとても可愛らしかった。マリカは思わずため息をついた。

(マリカも見える?)
(マリカも声が聞こえる?)

「はい、みんなが見えます。それに、セレスティーヌ様の手から伝わってきて、頭の中に、みんなの声が聞こえているような感じです」

マリカが精霊フェアリーたちに返事をしたので、フェアリーたちがうれしそうにマリカの周囲を飛びまわってよろこんでいた。

(マリカ、いつもレナードを大切にしてくれて、ありがとう)

精霊フェアリーたちは、マリカに感謝している気持ちを伝えたかった。
アルテリスがテスティーノ伯爵と修行をしているあいだ、アルテリスのかわりにレナードの介護をマリカがしてくれていることを、セレスティーヌに精霊フェアリーたちは話して聞かせた。
マリカは手のひらに乗る小鳥よりも小さな精霊たちの感謝の言葉に、胸が熱くなって涙ぐんでいた。
あたりまえの事のように思い、マリカは家事やレナードの介護をしてきたので、感謝されてとてもうれしかった。

セレスティーヌは、マキシミリアンのようにダンジョンで品物から魔物娘を錬成召喚したり、リーナのように亡霊を精霊に変化させる力はない。

しかし、マキシミリアンでは考えないこと、考えたとしても選択しないことを、エルフ族の王族てあるセレスティーヌは教えることができた。

「エルフ族が捕らえられ、人間の奴隷にされた者を、マキシミリアンはエルフの王国へ救出して来たのです。エルフ族は奴隷商人たちが支配する都を、破壊して奴隷商人たちを殲滅する計画を立てていたところでした」

精霊たちとマリカは、セレスティーヌとマキシミリアンがどのように出会ったのかを話した。

「その計画を実行していれば、今、エルフ族の王国は滅びていたと思います。私は人間の慰みものにされた者を、マキシミリアンが魔力を抑制する呪いが解かれたあと、なぜ自ら命を絶たずにエルフの王国へ逃げ帰って来たのか裁くために詰問しました」

奴隷商人の街をエルフ族が復讐のために戦い滅ぼしていれば、それを理由にエルフの王国へ攻め込む計画を立て、人間たちの国は、エルフの王国の侵略を狙っていた。マキシミリアンとセレスティーヌは、エルフの王国から侵略を計画する国を、神聖教団の影響力が強い国と協力してエルフの王国を攻めれば、侵略を狙う国を神聖教団の影響力が強い国が協力して攻め込むと交渉して、奴隷商人の都を解放させた。

「ゼルキス王国とターレン王国には、その時と同じように戦をすることを考えている者たちがいます。そのために、辺境の村は焼き討ちにされました。辺境の森やマキシミリアンが暮らすニアキス丘陵のダンジョンは、、両国の中立地帯で、どちらの国に属するのかを両国で交渉しあっていたそうです。ターレン王国は、辺境までゼルキス王国に侵略されたものとして、伯爵領から兵士を集め進軍しました。実際は、ターレン王国の奴隷商人のシャンリーという者と、シャンリーに雇われた傭兵ガルドと手下たちによって村が襲われたのです。レナードやリーナはその事実を知る証人です。ターレン王国が、中立地帯を自国の領土にする交渉を有利に進めるために仕組んだ暴挙を隠すには、ふたりは生かしておきたくない者なのです。異界の門が開いていなければ、ターレン王国の遠征軍とゼルキス王国の軍隊が辺境地帯で戦をしていたはずです。戦となれば、辺境の村はどちらかの軍隊の駐屯地として奪い合われ、戦に巻き込まれていたでしょう。そうなれば、やはり村で暮らす人たちは亡くなっていたかもしれません。騎士としての地位をランベール王から授けられ遠征軍の将軍となったのは、貴女たちの村を焼いた傭兵ガルドです。村人たちを脅して従わせるために見せしめとして、村人を殺したり、女性たちを慰みものにし、逃げ出す時には、ゼルキス王国の軍隊が駐屯地として使えないように焼き討ちにした可能性があります。マリカ、戦とはおそろしいものです。命を奪い合うのですから。私たちがレナードの命を助けるということは、一緒に呪われたランベール王の命も助けることになります。戦を防ぐことだけを考えるなら、レナードとランベール王の命を助けずに、レナードの命を犠牲にして呪いの力を使いランベール王を殺害するべきかもしれません」


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