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Sorcery doll (ソーサリー・ドール)
【ファンタジー 官能小説】

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レナードの覚醒(中編)-11

「はい、どうぞ」

アルテリスが、スープ粥をおかわりをして食べていた。

「本当にアルテリスは美味しそうに食べてくれるから、作りがいがあります」
「わかる気がする。僕もセレスティーヌが美味しそうに料理したものを食べて、笑ってくれているのを見ている時、とても幸せな気分になる」

賢者マキシミリアンはマリカに言った。マリカは朝食の準備の時、セレスティーヌがマキシミリアンが料理をするし、洗濯もすると言っていたのを思い出してにっこりと微笑んだ。

「ねぇ、伯爵様、もしかして、公爵様ってフリーデみたいな感じなのかな?」

ザイフェルトの妻フリーデは、修行からザイフェルトの顔が泥だらけで帰ってくると、濡れた布で拭いていたし、ザイフェルトも子供みたいに、おとなしくフリーデに顔を拭かれていた話を、アルテリスはマキシミリアンとセレスティーヌに話した。

「う〜ん、過保護な感じではないと思うけどな。アルテリス、セレスティーヌは僕と結婚したから女王の地位を辞退したけど、エルフ族のお姫様なんだ。そう考えるともっと大切にしたほうがいいのかもしれないけど」
「えっ、お姫様?」
「私の妹が、今のエルフ族の女王をしております。マキシミリアン、もう少しかまわずに放っておくぐらいでも、私は平気ですよ」

マリカは、マキシミリアンとセレスティーヌが来てから驚くことばかりである。それはストラウク伯爵も同じであった。アルテリスは、マキシミリアンにどうしてセレスティーヌと結婚したいと思ったのか聞いてみた。

「アルテリス、セレスティーヌは肉料理と狩りが得意でね。とても上手なんだ」

特にドラゴン肉の料理は絶品で、とマキシミリアンがセレスティーヌの自慢を始めたので、セレスティーヌがにっこりと笑いながら、目でマキシミリアンの妻の自慢話を止めた。

「ちょっと、伯爵様、聞いたよね。ドラゴン肉って公爵様が言ったよ!」

アルテリスがテスティーノ伯爵に驚きながらも、興奮と興味で目を輝やかせながら言った。

「アルテリスは食べたことないかな?」

マキシミリアンはそう言って、ドラゴンがダンジョンでたまに生成されると、セレスティーヌが眉間や、顎と喉の間の色の薄い鱗のあたりを弓矢で射って気絶させて、ドラゴン肉を食材にするために、尾を切り取ってくる話をした。

「ドラゴンってけっこうでかくて、口から火を吐くんだよ。皮も頑丈で剣とか刺さらないし、なまくらじゃ切れない」

4つ足のツノがあるオオトカゲのような姿だが、後ろ足で立ち上がることもできるし、手は鉤爪になっていてつかむこともできる。立ち上がられるとさらに大きく見える。だが、這いつくばって動かなくなった時の方が危険。次にぐわっと大きな顎を開いた時には炎が吐かれる瞬間である。

アルテリスの説明を聞いて、マキシミリアンとセレスティーヌがうなずいた。トラウク伯爵、テスティーノ伯爵、マリカはドラゴンの姿も想像できない。

「ドラゴンはあまり見かけた話を聞かないのは、見た奴は食われたり、踏まれたり、尾で凪ぎ払われたり、炎を吐かれてくたばっちまうからね。空高く飛んでるドラゴンに似たワイパーンは火を吐かないし、凶暴じゃない。果実とか食べて人や動物は食べない。ドラゴンは動物も食べる。そうかい、ダンジョンに行けばドラゴンもいるのか!」
「しっぽを切って逃がしてやれば、ダンジョンが3日ぐらいで元に戻してくれるから、肉が無くなったら僕らは狩りに行くんだよ」
「う〜ん、修行したし、火を吐かれなければなんとかなるかな。火だけは防げないから無理かな」
「火を吐く前に眉間を射るのがコツですよ。でも、魔法で炎を防いでから射るのもいいですね」
「伯爵様なら、吐かれた火を剣で左右に裂いて当たらないようにできそう」
「アルテリス、セレスティーヌのドラゴン肉のステーキはすごく美味しいよ」

アルテリスのいた時代には、ドラゴンやワイパーンがいたらしい。

(そんなよくわからない危険そうなものがいるところで、公爵様たちは暮らしているの?)

マリカは、ダンジョンには今の世界では絶滅した魔獣が生成されてくることや、その中にドラゴンもいると説明されて、危険なところだと思った。

「伯爵様、ダンジョンで修行したらおもしろいかも!」
「アルテリスは、そのドラゴン肉のステーキを食べてみたいだけだろう?」

テスティーノ伯爵はそう言って笑った。

「あたいがニアキス丘陵で聞いたダンジョンとはちがうのかな。ハンターって言ってた連中は、ドラゴンがいるって言ってなかったけど」
「36階層にたまにあらわれる。アルテリスの会ったハンターたちは何階層まで行ったって言ってたかな?」
「12階層とか言ってたような」
「もっと下の階層で、僕らは暮らしてるからね」

賢者マキシミリアンはそう言ったあと、アルテリスがドラゴンの吐いた火を剣で左右に裂くと言ったのはどういうことか気になり、テスティーノ伯爵に聞いた。

「裂け目に風を思い浮かべて念の力を放てば、そこに突風が走ります。説明するより見たほうがわかりやすいと思いますが、庭だと物を壊すかもしれないので」
「ああ、テスティーノ、家から離れた外か山の中でやってくれ。物を壊したらマリカに頼まれて私が修繕しなければならなくなるからな」

テスティーノ伯爵とストラウク伯爵はそう言って、薬草茶をすすった。

「その剣の技は、ゼルキス王国の騎士団の子たちに教えたら、異界の門を破壊するのに役立ちそうです。ぜひ、見てみたいですね」
「すぐ使えるかはわかりませんが、兄者かまわないか?」
「役立てば良いのですが、参考になるかどうか。テスティーノ、我らの剣技を公爵様に見てもらおう」
「よろしいのですか?」
「セレスティーヌ様、人を斬るのに使うのであればお見せしないところですが、異界の門を破壊するためであればお見せしますよ」


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