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Sorcery doll (ソーサリー・ドール)
【ファンタジー 官能小説】

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ザイフェルトの修行と厄祓い(中編)-6

「はぁ、はぁ、はぁ……ザイフェルトの私と一緒になりたいっていう気持ちがすごく伝わってきました」
「すごいな、これは」

ザイフェルトは射精した瞬間、今まで感じたことのない絶頂感に満たされた。
フリーデがザイフェルトの感覚に同調して、ザイフェルトが射精直前に自分が先に達しそうになった焦りや一緒に達したいと思ったのもわかった。
フリーデもザイフェルトと一緒に達したいと思った。しかし、どうすればザイフェルトと一緒に、絶頂まで達するのかわからなかった。
ザイフェルトが腰を突き上げてきて、ザイフェルトの興奮の昴ぶりが限界に達した時に、フリーデはつないだ手や膣内のザイフェルトの逸物から、全身に甘く痺れる快感がフリーデの中に流れ込んできて、もう何も考えられなかった。
フリーデは痙攣しながら、涙があふれてきて止められなかった。

「フリーデは達する時、こんなに気持ちいいと感じていたのか」
「ザイフェルトが射精しながら、胸が苦しくなるぐらい、私のことを愛してると叫ぶぐらい考えてたなんて。私はザイフェルトは、ただ気持ちいいってことだけしか考えてないと思ってました」
「恥ずかしいな。それもわかったのか」
「ザイフェルトの気持ちがすごすぎて、私も泣いてしまいました。私と交わっている時にあんなに激しい感情をぶつけていたんですね」
「泣かないけど、胸が熱くなる。フリーデが達したのはわかったが、気持ちが流れ込んでくる感じはわからない」
「ふふっ、それは男の人だからかもしれませんよ。すごく気持ちを込めて贈り物をするみたいに中にいっぱい出してくれたのを、全身で受け入れる感じはわからないでしょう?」
「受け入れる感じ?」
「こうやって抱きしめた感じも似ていますよ。ザイフェルトの全部をすっぽり包みこんだような感じです」
「まるで赤ん坊を母親が抱いている感じだな」
「アルテリスさんが伯爵様に甘えて抱きつく気持ちが、少しわかりました」

ザイフェルトはフリーデの胸のふくらみをぎゅっと頬に押しつけられ、頭を優しく撫でられた。

「ほう、ザイフェルトは、母親が赤ん坊を抱いている感じと言ったか」
「はい。今までザイフェルトに感じたことのない気持ちになりました」
「フリーデ、悪意のある欲望を吐き出したいだけの男と交わっても、優しく抱きしめたい気持ちは起こらないだろう。子爵シュレーゲルは、フリーデに恋心を抱いていた。悪意ではないから、母性が反応したんだろうて」
「母性?」
「慈しみ愛する心の働きだよ。人は生まれたばかりでは、レナードのように世話をしてやらねば死んでしまう。女性は母性を持っておる。人が子を愛する気持ちは、伴侶を愛する気持ちに似ておるのだよ。伴侶より子のほうに夢中になる母親もいれば、伴侶の愛情を感じられずに子を愛せない母親もいる」

書庫でフリーデとストラウク伯爵は話していた。

(シュレーゲル様のことを、私は母親や姉になったように感じたのは、母性というものだったのですね)

「母性があるから、女性は惚れられていると感じるほど、自分がいないとみわまボロボロになると思える頼りない男性であっても、見捨てることができなくなることがある。フリーデは今まで、ザイフェルトに父性を見ていたのだろう」
「父性?」
「おそらくザイフェルトもフリーデに安心感を与える存在でありたいと思ってきたのだろう。父性は敵から守りたいと思う心の働きだな。女性が母性を持つように、男性は群れを守りたいという父性を持っている。動物でいえば巣を守る心の働きだな。子は世話をしてもらう母性と身に危険をおよぼす敵に対して代わりに戦ってもらう父性によって、守られて成長するのだ。父性というのは、他人への独占欲や嫉妬、群れの中で優位に立とうとしたり、目立とうとしてみたり、伴侶に自分に従う態度で接するように求めてみたりすることもある。そばにいて安心させてくれて、いつも守ってくれる、頼りがいのある伴侶だと、ザイフェルトはフリーデに思われていたかった。フリーデにも安心を望む気持ちもあったのだろう。その結果、ザイフェルトはフリーデに乱暴した狼藉者を殺めてしまった。ザイフェルトは責任感の強い頼りがいのある男だからな。ところが昨夜は、湯にのぼせて倒れ、フリーデにいたわられる力の弱い立場となった。フリーデも、ザイフェルトのことをどこかで父親か兄のようにいつも守ってくれて頼りがいのある者、安心させてくれる強い存在だと思いがちだった。ところが、見たことのない情けない顔をみた。ザイフェルトから守られる小娘の立場ではなく、フリーデは母性あるひとりの女性の伴侶として初めて愛した。フリーデは、ザイフェルト以外の者たちからも、子爵シュレーゲルからも弱い立場の者として見られてきた。ザイフェルトの心の中で、フリーデは弱い自分が命がけで守らなければならない小娘の立場から、対等か、時には自分より強い心を持つ伴侶ということに昨夜、やっと気づいたのだろうよ」

フリーデはこのストラウク伯爵の意見を聞いて、またひとつ過去の自分の行動に納得した。

(ベルツ伯爵にザイフェルトの命乞いをしていた時は、私はザイフェルトの命を守りたいと必死だった。ザイフェルトへの父性も私の心の中にはあります)

「母性、父性と言っておるが、実際の体の性別ではなく心の中にある強い感情の傾向で、アルテリスはレナードの世話をして旅をしてきたのは母性の傾向。ザイフェルトの修行でふたりで泥だらけで帰ってくるのは父性の傾向で、まるで悪ガキの兄貴のようだ。伴侶のザイフェルトについて、そして自分について、昨夜はザイフェルトとフリーデはひとつ成長した。これはめでたい!」

フリーデは父親のケストナー伯爵に溺愛されて、お嬢様として大きな邸宅で育てられた過去をストラウク伯爵に語った。

「ブラウエル様には、父上は厳しかったようです。父上の笑った顔は、私の前でしか見たことがないとおっしゃっていました」


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