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Sorcery doll (ソーサリー・ドール)
【ファンタジー 官能小説】

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預言者ヘレーネ-7

口を犯された時と同じようにビクビクと脈打つように、激しくえぐり擦りたてたものは震える。膣奥をどろりとした粘液が満たしていく感覚があった。

(あぁん、だめ、また……イクッ!)

未経験ではない、夫婦の交わりで快感にも慣れているはずの人妻が気持ち良すぎて死んでしまうと泣きながら気絶するまで、蛇神のしもべは凌辱する。

ストラウク伯爵の家からいたたまれない気持ちになり、出てきてしまったものの帰るまで気持ちの整理がつかないマリカは、ストラウク伯爵の家と自分の暮らしていた村のあいだのあたりの道で、ひとりでしゃがみこんでいた。
マリカは子供の頃からの憧れていたストラウク伯爵の妻妾にしてもらったので、幸せな毎日を過ごしていた。

(あんな美人で、貴族の御令嬢が押しかけてくるなんて、ありえないから)

ストラウク伯爵には、女性の押しに弱いところがあるとマリカは思う。そこを狙ってマリカは、村から毎日通いつめて、最近、やっと交わってくれるようになって、家に泊まるのも許してもらえるようになったばかりだけれど、遠くから訪ねて来た若い女性が泊まるあてがないといえば、ストラウク伯爵は客人として家に泊めるだろうと思う。

(なんか、ずるい気がする。子供の頃からずっとがんばって、やっと巫女の修行もあるからってお泊まりも許してもらえるようになったのに。いきなり来てスト様の家に泊まるなんて)

目に涙をためてしゃがみこんでいるマリカに、馬の手綱を引いて近づいて来た男性が声をかけてきた。

「すまぬ、たずねたいことがある。ストラウク伯爵は御在宅か?」

(むっ、誰よ、今、私に声をかけていいのは、スト様だけなんですけど!)

マリカが泣いていることに気づいて、声をかけてきた男性は、驚いたのだろう。表情をこわばらせたまま、顔を上げたマリカの返事を待っていた。

「あ〜、どなたですか?」

マリカはとても機嫌が悪い。普段から他人に対して愛想が悪いわけではない。

「私はテスティーノ、ストラウク伯爵と私は兄弟のようなものだ。マリカ、自分の父親の顔を見忘れたか?」
「え、あ……ええええっ!」

マリカは声をかけてきたのがテスティーノ伯爵だと気づいて、動揺して、思わず変な声を上げてしまった。

「父上様、お墓参りにでも参られたのですか?」

ストラウク伯爵領の村娘アカネは、カルヴィーノとマリカを産んだあと、マリカが10歳の頃に亡くなった。死因はよくわからない。ある朝、突然目を覚ますことなく、眠ったまま亡くなっていた。
突然、ストラウク伯爵領へ、連絡もなくテスティーノ伯爵が来る時は、母親アカネの墓参りに来る時であった。

「兄者の妻妾となって巫女の修行をしていると知らせはもらっているから知っていたが、なぜ道でしゃがんで泣いているのか……修行がつらいのか?」
「父上、スト様が他の女性を……ふぇええっ……えぐえぐ……」
「よくわからんが、兄者に会ってみればわかるか……マリカもう泣くな」

テスティーノ伯爵はマリカの頭を撫でていると、幌馬車を少し離して停めて、馭者をしている獣人娘のアルテリスが、じっとふたりの様子を遠目から声をかけずに見つめていた。

「アルテリス、紹介する。これは私の娘のマリカだ」
「はじめまして、アルテリスさん。マリカです。父がお世話になっております」
「あ、うん。よろしく……って、マリカは何で道でしゃがんで泣いてたのさ?」

マリカがそう言われて、また目に涙がたまり出したので、テスティーノ伯爵が深くため息をついた。

「そりゃ泣くわ。まったくなんなんだ、その女?」

アルテリスが御者席の隣にマリカを乗せて事情を聞きながら、幌馬車をゆったりと走らせていた。山道で速度を上げて走らせると、車輪の軸への負担が大きいからである。
先にストラウク伯爵の家に行って挨拶を済ましておくから、マリカのことを頼むとアルテリスに言って、テスティーノ伯爵は逃げるように先に行ってしまった。
マリカによればあとは途中にいくつか坂があるが、一本道なので迷うことはないらしい。
新婚の家庭に、いきなり貴族の若い美人がやって来て、旦那の子供が欲しいと、
若妻の前で言い切った。旦那は追い返すこともなく、そのまま美人と話を続け、若妻が泣きながら家を飛び出しても、追いかけても来ない。
子供の頃からマリカがストラウク伯爵を大好きで、最近、妻妾になったばかりなのに、どうしていいかわからないと、また泣くので、アルテリスはマリカに同情した。そして、ヘレーネに対しては怒っていた。

(マリカをいじめた泥棒猫のヘレーネっていう馬鹿女は、あたいが行って説教してやる!)

「兄者、途中で泣きじゃくっているマリカを拾った。どういうことか、説明してもらえないか?」

テスティーノ伯爵はとりあえず家の中に通されると、椅子に腰を下ろして、こちらもいろんな思いがこみ上げてきて泣いているヘレーネを見て、空いた口がふさがらなかった。

「兄者、若い娘をふたりも泣かせるなんて、何をやらかしたんですか?」
「いや、私は話をしていただけだ。たしかに、話の途中でいろいろ思うことはあったが……テスティーノが思っているようなことはしていないぞ」
「お見苦しいところをお見せして申し訳ございません。あの、ストラウク様、こちらの方は、どなたですか?」
「テスティーノだ。私の弟のような者だよ。こちらはベルツ伯爵の御令嬢のヘレーネ嬢だ」
「えっ、テスティーノ伯爵ですの?」
「ああ、そうですよ。ストラウク伯爵とは若い頃からのつきあいがあるのです。わざわざベルツ伯爵領からこんな山奥まで……えっ、おひとりで歩いて来られたんですか?」
「おぬしでも、驚いておるな」
「兄者、意味がわからんよ。御令嬢が、従者もつれず、兄者を訪ねて来たのか」
「それはそうと、おぬしはなんで訪ねて来たのかな、墓参りか?」


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