投稿小説が全て無料で読める書けるPiPi's World

Sorcery doll (ソーサリー・ドール)
【ファンタジー 官能小説】

Sorcery doll (ソーサリー・ドール)の最初へ Sorcery doll (ソーサリー・ドール) 125 Sorcery doll (ソーサリー・ドール) 127 Sorcery doll (ソーサリー・ドール)の最後へ

伴侶の選択-5

辺境を聖騎士ミレイユが僧侶リーナを同行して、傭兵ガルドの探索と焼き討ちされた村の調査と浄化を行った時に、ミレイユの魔力が強く影響はなかったが、僧侶リーナは頭痛などを感じていた。そのため、焼き討ちされた村での野営ではなく、森林地帯のアルナサという村に滞在した。他の村では失踪者が出ているという情報を聞いた。滞在中に村人が異変による障気の影響を受け、眠った状態の村人たちが家から外へ出て、欲情して交わり出す異常な行動をした。村の中で異界の門が開き、具現化した蛇神のしもべが出現し、ミレイユも襲撃された。ノクティスにより魔獣は撃退され、アルナサ村の異界の門は破壊されたが、僧侶リーナは失踪した。アルナサ村には翌日、ミレイユによってゴーレム馬に村を護らせる神馬の法術が施された。森の中では、僧侶リーナが察知し、他の村の者も失踪していることやターレン王国の兵士が障気の影響を受けた状態でゼルキス王国の国境へ来たので、アルナサ村とは別の異界の門がすでに開いている可能性が高い。獲物となる村人が暮らす居住地だけに、異界の門が開くとは限らない。敵の魔獣の出現を常に警戒する必要がある。
そのため、魔力強化と感応力の強化を行うが、作戦中は単独行動ではなく、強化訓練を行ったパートナーと常に行動するものとする。

「明日も引き続き作戦会議を行う。パートナーについては、訓練の内容が特殊なことや、任務中はパートナーのふたりで連携し、単独行動は失踪の危険を避けるために禁じる。パートナーこちらから指定せず、各自の希望を優先する」

翌日の会議ではセレーネ、マノン、フェルリス、レヴィア以外の5人からは、パートナーの希望の申し出があった。
騎士団長のミレイユは、この申し出を会議の場ですぐに承認した。

1番隊隊長のセレーネは、兵士を率いる時は騎馬隊を任されているが、祓魔師としての任務遂行時には単独で行動する。それが認められる実力者ではあるが、今回の任務は確実に異界の門を破壊する必要と、具現化した魔獣に異界へ拉致される危険を回避するため、パートナーを誰か組むことが条件になっている。
セレーネは、銀色の髪が印象的な美女である。普段の表情や口調から、温和な印象を誰もが受ける。しかし、魔獣との戦いでは、勇猛果敢である。
セレーネは、平原の王国で12歳の頃から、ダンジョンを探索していた元ハンターである。
12歳のまだ初心者のハンターの頃に、初心者が探索する最初の階層では、絶対に生成されるはずのない魔獣とセレーネは遭遇した。
セレーネ以外の6人のハンターたちは、襲われて凍死していた。セレーネは撃退した魔獣の呪いを受けて髪はすべて白髪になり、体温を奪われた衰弱した状態で発見された。
ダンジョンはニアキス丘陵だけではなく平原地帯にある遺跡も、魔獣が生成されるダンジョンとなっていた。
セレーネの探索していたロゼ遺跡では生成が確認されていない魔獣、氷の貴婦人とも呼ばれるヘルは、ふれた者を凍死させる。人型の女性の姿をしている。
セレーネは、念のために火炎の魔法の腕輪を装備して持たされていた。粘液獣のスライムに取り込まれかけても、腕輪の魔法でスライムが蒸発するからである。最初の階層ではスライムの幼体がうろうろしている程度で、装備品の力でなんとかなる魔獣しか生成されていないというのが常識だった。ヘルはセレーネの腕をつかもうとして、焼かれて幻で見せていた美しい女性の姿から、本来の姿である骨がロープをまとっている姿に戻され、悲鳴をあげて逃げ去った。
セレーネの家系は騎士の末裔であり、ダンジョンを探索するのはまだ早いが、セレーネが魔法の才能があると知り、本人もやる気で、一度、少しこわがらせればダンジョンの探索に行きたがらなくなるだろうと、最初の階層だけという条件つきで、護衛に下層階で探索しているパーティーまで傭い、12歳のセレーネはダンジョン探索に自分もハンターのつもりで、喜んで上機嫌で出かけて行った。
その後、遺跡ではヘルの被害が報告された。全滅させずにひとりだけ生かし、ヘルはセレーネを連れて来なければ、呪いでお前は死ぬと聞かせて逃がした。逃がされたハンターは白髪になっていた。ヘルの呪いによって、10日後の朝、ハンターは凍死した遺体となり、ベッドの上で発見される。
ヘルは身を焼かれた復讐をしたかったようだが、ダンジョンから出ることはできなかったようで、ハンターに連れて来させようとした。
12歳のセレーネは、神聖教団の延命処置のおかげで10日間では死なずに生き延びていた。だが延命処置も、じきに体の限界がくれば死ぬと告げられた。疲れやすく、体温は低い状態で、貧血で倒れる時は、左胸が痛み、息苦しく、心臓が凍るような感じがする。
ロゼ遺跡のダンジョンに起きている異変にマキシミリアンが興味を持った。セレスティーヌはミレイユの母親なので、セレーネに同情してマキシミリアンに、呪いをなんとかならないか、逃れる方法を考えさせた。
セレーネの先祖は神聖教団の教祖ヴァルハザードの討伐を行った騎士団のメンバーであった。騎士団のメンバーの末裔たちは、呪いによって死んでいる。セレーネは騎士団の最後の末裔だと判明した。またヴァルハザードに仕えていた神官の成れの果てが、ヘルとして出現したのではないかとマキシミリアンは、セレーネの見たヘルの漆黒の法衣や腕や手の甲に蛇のような鱗があったという証言から推測した。

「生成された魔獣に、昔に殺された怨みから亡霊となった人間の意識が宿って操っている。ヘルは、さしずめ妖獣といったところだな」

妖獣ヘルと騎士団の末裔のセレーネには因縁があった。
13歳のセレーネは神聖教団の古都ハユウに15歳まで仮死状態の眠った状態で成長した。
マキシミリアンは、セレーネの延命処置として古代エルフ族の石棺を使った。また、ヘルの氷の心臓の呪いを利用した。
13歳の体では、神聖教団の呪いの進行を抑制する法術の魔力とヘルの呪いの両方に耐えられない。


Sorcery doll (ソーサリー・ドール)の最初へ Sorcery doll (ソーサリー・ドール) 125 Sorcery doll (ソーサリー・ドール) 127 Sorcery doll (ソーサリー・ドール)の最後へ

名前変換フォーム

変換前の名前変換後の名前