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Sorcery doll (ソーサリー・ドール)
【ファンタジー 官能小説】

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蛇神祭祀書-7


2人の伯爵領から傭った衛兵隊は合わせて100人ほどで、そのうち人員72名がフェルベーク伯爵領から派遣された者たちであった。それに対して、ロンダール伯爵領の衛兵たち28名は、若手の青年たちである。
暴徒の鎮圧と盗賊団の首領4人の捕縛で100人の衛兵のうち、半数が負傷、死者は23名という状況であった。
ロンダール伯爵領から来た青年たちは、被害は軽傷程度で、23名全員が生き残っていた。ロンダール伯爵領から派遣された衛兵たちは、今回の派遣のために志願者を募集して即席で用意された衛兵隊なのだった。
バルデット伯爵への弾圧のあと、バーデルの都の治安維持を任されていた衛兵部隊は罷免され、暴動に加わった。
フェルベーク伯爵領の衛兵部隊は小貴族5名が統率していた。この5名の隊長たちのうち、3名がパルタの都からの出向者、2名がフェルベーク伯爵領の小貴族であった。
ロンダール伯爵領からの衛兵部隊は、青年ギレスが呼びかけて集まった仲間たちであり、貴族階級ではなく、平民階級の者たちだった。
フェルベーク伯爵領の人員には、引き上げ命令が通達されていたが、ロンダール伯爵領のギレスたちには、ロンダール伯爵からの引き上げの命令もなかった。
ロンダール伯爵は、平民階級の志願者など、使い捨てにしてもらってもかまわないという考えなのだった。
フェルベーク伯爵の派遣した部隊は、小貴族を隊長とする正規の衛兵隊だったので、暴動したバルデット伯爵に仕えていた元衛兵たちや、他の伯爵領から逃げのびてきた盗賊団から、部隊の動きが読まれてしまうことがあった。基本に忠実だった。元衛兵たちの予想通りに、フェルベーク伯爵の派遣した部隊は動いた。盗賊団は他の伯爵領で、治安維持のための衛兵部隊を相手に強奪をして逃亡してきた連中で、基本に忠実な見廻りの衛兵には、それなりに賄賂を渡せば見逃してもらえるとわかっていた。
シャンリーが殲滅せよと命じれば、容赦なく青年ギレスたちは突撃して剣をふるった。基本に忠実な元衛兵たちは、ギレスたちの引き際が読めず混乱し討ち取られた。盗賊たちが賄賂を渡して交渉してきても、その場で捕らえるか殺害した。

シャンリーから、見廻りではなく内偵を別動隊としてギレスたちは命じられた。ギレスたちはシャンリーから渡された経費で品物を購入、転売して、闇市に潜り込み、盗賊団の縄張りを把握したり、首領たちの人間関係まで探り出した。
ギレス自身、かなりの女好きで、盗賊団の首領の愛人と接触して、4つの盗賊団の首領が敵対しあうように仕向けたりもした。
首領の愛人に、別の盗賊団の手下が手を出して逃げた。躾のなっていない手下の引き渡しを要求されても、その手下は姿をくらましている。
ギレスたちがすでに兵舎に監禁しているからである。名前を聞き出し、ギレスは盗賊団の手下になりすますと、首領の愛人たちを寝取って置き手紙を残し駆け落ちしてみせた。
ギレスたちは、さらにひと芝居打った。ギレスは愛人と駆け落ちしている途中でわざと仲間たちに捕らえられた。
愛人たちはシャンリーに引き渡され、それぞれ一緒に捕らえられたギレスの助命をシャンリーに頼んできた。
シャンリーは、愛人たちから謎の密売人が4人の首領たちと密会している情報を聞き出した。4人の首領と接触して物資を流していた謎の密売人は、フェルベーク伯爵本人であった、

シャンリーは、ギレスをリーダーとするロンダール伯爵領の志願兵たちのやり方が、ガルドの率いていた傭兵団に似ていて、とても気に入った。
身柄を確保した4つの盗賊団の首領たちから、シャンリーは隠し金のありかを聞き出すと、ギレスたちに処刑させた。

ギレスは体格は小柄で細身、色白で絹のような肌を持った絶世の色男である。ただし、シャンリーの好みではなかった。実は男色家だったフェルベーク伯爵が、ギレスに惚れてしまい、骨抜きにされ、シャンリーに利用されることになるのだが、それはもう少し後の話である。

美少女エステルは、フェルベーク伯爵にシャンリーが仕方なく愛人関係を強要されていると思い込んでいた。
だが、秘密を握られていたのは、フェルベーク伯爵のほうであった。伯爵と平民階級上がりの青年将校の同性愛の関係の末路は、フェルベーク伯爵が毒物を服用し、ギレスの遺体を抱きしめて自決することで終結した。

バーデルの人狩り隊長という悪名で歴史書に記される青年ギレスは、のちにシャンリーをフェルベーク伯爵と共謀して裁判にかけると、王都に引き渡した人物である。

ベルツ伯爵がフリーデを子爵シュレーゲルから引き離すために、バーデルの都へ売り渡そうとしていた。

子爵シュレーゲルのもとへ、リヒター伯爵領から剣客カルヴィーノが訪れた。
フリーデを連れて、子爵シュレーゲルが身分を捨て出奔するか、ベルツ伯爵の後継者として生きるか、苦悩している時期であった。

カルヴィーノから、ザイベルトは生きていて宮廷議会の重鎮モルガン男爵の暗殺をベルツ伯爵から命じられ、パルタの都に潜伏していることを、シュレーゲルは知らされた。この時「パルマ事変」の情報を流布するモンテサンドの檄文は、ベルツ伯爵領に届いていない。

(ザイベルトを死なせるために、自由を捨てたと知ったら、フリーデはどれだけ悲しむだろう)

宮廷議会の重鎮モルガン男爵がパルタの都に横領を隠蔽するために訪れ、騎士ガルドの軍勢がパルタの都へ攻め込み、令嬢ソフィアによって殺害されるとは、子爵シュレーゲルは想像できない。
モルガン男爵を暗殺するには王都へ潜入し、邸宅か王城で殺害するしかない。
まず、ザイベルトの命が助かる見込みはない。捕らえられる前に、フリーデの身を案じ、ザイベルトはベルツ伯爵の名を自白させられないうちに自決するだろうとシュレーゲルは考えた。

「カルヴィーノ、私に協力してはくれないだろうか?」

剣客カルヴィーノは、フリーデをリヒター伯爵領へ逃がして欲しいと頼まれた。


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