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Sorcery doll (ソーサリー・ドール)
【ファンタジー 官能小説】

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ガルドの復讐-2


ガルドはそのたびに身を守るために、村人たちを殴ったり蹴ったりして、手加減はしたが、それでも殺してしまうことがあった。
ダンジョンでオークたちは、ガルドが使えそうな戦斧を見つけて、餞別にくれたのだが、村人たちに戦斧を使ったりはしなかった。

ニアキス丘陵周辺の森には、危険な熊や狼や虎などの猛獣は生息していない。
もっとも危険な動物は、人間族の村人たちであった。

ガルドは人間族について、この放浪中に多くのことを、身を持って学んだ。

ガルドは村人ではなく、奴隷商人と護衛に戦斧を振るったことがあった。

「俺がこわくないのか?」

森で迷子になっていた幼女がいた。
ミアという幼女はガルドに村はずれまで送ってもらうと、感謝して、家からパンや果実などをガルドに運んできた。ミアは、ガルドによく歌を聞かせてくれた。しかし、ガルドは心配して、もう来るなとミアに言うと、泣かれて困った。

ミアの母親は村の娼婦だった。
やがて、客だった別の村の男性と村を出ることになった。
ミアは村に置き去りにされて、奴隷商人に売られることになった。ミアは村人たちに引き取られたりはしなかった。

「ミア、あさって、新しいお家に行くんだって。ガルドに会えなくなっちゃう。さみしいの」

ガルドは、村から離れた森の小道で、奴隷商人の荷台に大きな箱を積んだような荷馬車を単身で襲撃した。
戦斧を初めて人間相手に使った。護衛が片手剣でガルドに攻撃してきたからだ。

「ミア!」
「あ……ガルド……うれし……い」

ミアは他の奴隷たちも詰めこまれていたので、病をうつされてしまったらしく、ひどい高熱を出していた。
奴隷商人の所持金を奪い、ガルドはミアを売った村ではなく、果実酒でそれなりに儲けている少し裕福な村に向かった。

「金ならある。この子を助けてくれ」

しかし、ガルドの予想を裏切り、その少し裕福な村の村人たちは、ミアを村に立ち入ることを拒否した。
病が村で蔓延するのを警戒して、受け入れを拒んだのである。
ガルドは森の中で、ミアに果実の汁を飲ませたりして見守っていたが、幼女のミアは体力があまりなく、5日後の雨の日に亡くなった。
それ以来、ガルドは雨が降る日は、ミアの死顔を思い出してしまう。

ガルドに対して、母親以外の人間で初めて心を許してくれた幼女ミアが死んだ。
ガルドは自分の力不足を呪った。
それ以上に、ミアを群れから見捨てた村人たちを憎んだ。

やがて、ガルドは南のターレンで悪党ども、村から捨てられた子供たちの成れの果てを集めて、盗賊団を作った。
奴隷として子供のうちは弄ばれ、育つと村の奴隷として働くために安く売られてしまった男たちを逃がして仲間にした。

子供を買う裕福なターレンの貴族の館を襲撃して、金品を強奪した。
マダム・シャンリーと手を組んで、貴族の館を襲撃しては、ニアキス丘陵周辺の森に潜伏した。
マダム・シャンリーは貴族たちを手なずけていった。奴隷商人ごときが、という態度の貴族には、逆らえば殺すとシャンリーは言い捨てた。
ガルドはシャンリーに従わない貴族を暗殺していった。

盗賊団の人数が増えていき、傭兵団と名乗るようになった。

村人たちを虐殺するのも、村の女性たちを犯すのもガルドは躊躇しなかった。
子供を売り捌くのはあまり好きではなかったが、ガルドを見て怯えたり、警戒する子供は、ミアとは違うと思うようになり、心は痛まなくなっていった。

ガルドは奴隷商人シャンリーも、いつか殺してやると思っている。
酒場で出会った旅人の男から、ミアを村から買った奴隷商人ダラムは、マダム・シャンリーの手下だったことを聞き出したからであった。

ガルドの手下たちは、村人たちにろくに食べ物も与えられずに、果実酒を作ったあと破棄された腐ったゴミを食って、生き残ってきた。

村人の女性たちは、奴隷を同じ人間として見ることなく軽蔑していた。
その時の恨みを晴らすように、ガルドの手下たちは、村人の女性たちを笑いながら犯し続ける。

ガルドが村を焼き払うことで、果実酒の生産量が減る。ターレンでは果実酒の価格は値上がりした。
マダム・シャンリーは事前に大量の果実酒を買いつけ、他の酒場へ横流しすることで、かなり儲けることができた。

ガルドは、マダム・シャンリーという牝豚が太るのを待っている。たんまり稼がしたあとで、財産を根こそぎ奪って、傭兵団の奴隷にしてから、殺してやるつもりなのだった。

満月の夜、ガルドは村の若く美しい女姓に何度出しても、激しい興奮は収まらなかった。

「嫌あぁっ、孕まされちゃうぅっ、また中に出されたら、あひぃぃっ!」

ガルドは、見た目は人間族だが、もう自分はオークだと思っている。何度も犯すほど、人間族の女性たちは、快楽に溺れて我を忘れる。

オークの精液で人間族の女性が孕むことはない。その代わりに、人間の女性にとっては強力な媚薬として作用する。

マダム・シャンリーを抱くのは好きで抱くわけではない。ガルドとの交わり無しでは生きていられないように、飼い慣らして利用するためであった。

放浪していた時に、金で買った村人の娼婦たちは、ガルドからは金を受け取らずに、股を開くようになっていった。

ガルドは貴族の館を襲撃した時、ターレンの貴族の貴婦人や令嬢を犯してから、マダム・シャンリーの娼館に売り捌いてやった。

マダム・シャンリーの情報は、娼館の娼婦からガルドの雇った商人たちへ流されている。
シャンリーが、奴隷の娼婦をなぶり殺す趣味があることや、どうやら身分の高そうな貴族の子息と、なにやら画策しているらしいことを、ガルドはすでに把握していた。

娼館に身分を隠して訪れている貴族の子息が、実はターレンの王位継承者、皇子ランベールであるという情報は、さすがにガルドでもつかんでいなかった。


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