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恋売り。
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恋売り。-2

「そっかぁ。でも、かっこいいよね。」
「ありがとう。結夏は??夏に生まれたから??」
「違うの。生まれたのは2月だし。父親がね、どーしてもこの名前が付けたかったんだって。で、母親が漢字を考えたらしーの。」
「結局、両親の好みなんだ、名前なんて。」
「そうだねー。」
俺達はいくつかのブランド店を回ったが、結局彼女はお気に入りだという店の鞄が気に入った様だ。
「ケーキ!!これ、かわいくない??」
大き目のその鞄の値段を見たら、この先を考えると、先払いされた料金を超えてしまうほどだった。
もし超えたら、取り分から引かれるか、自腹になる。
俺はそこまでかける気は毛頭ない。
「かわいいけど、結海には、あのバッグが似合うと思うんだけどな。」
そういって、少し小ぶりの鞄を指差した。
こういうとき、あからさまに安物を選ぶと軽蔑される。
が、俺はセンスもあるから、こういうピンチも繰りぬけてきた。
「んー。確かにかわいー…。」
「うん。かわいい。」と笑顔。
「じゃぁ、これ、買ってくれる??」
「当たり前じゃん。」
わーい、と無邪気に喜ぶ彼女を素直に可愛いと思った。


「ありがとう。今日一日。久しぶりに楽しかった!!」
バーに寄って、飲んで、程よいぐらいに酔っている彼女は言った。
「こちらこそ。結海、ありがとう。」
「じゃぁ…これでお別れだね…。」
「また、会えるよ。」
ここで、会おう、と約束を催促してはいけない。
金目当てだと思われる。
「ねぇ…、私…その。」
あぁ、くる。っていう直感。
「本当のケーキの彼女にまれないよね…??」
「結海、気持ちはとても嬉しい。本当にありがとう。でも」
「やっぱ、だめ??」
「こればっかりは…。」と、しょげたふり。
「だ…よね。これ、仕事だもんね。」
「仕事抜きで、楽しかったよ。結海の素直なとこ、頑張って自分を高く見せようとしてるとこ…。それに、元気をもらった。」
これは、嘘なんかじゃぁない。
「ケーキ…。」
「だから、結海には進んでいってほしい。」
「ありがとう、ありがとう。私、頑張れる。」
「結海…。」
「また話、聞いてね。私、進むから。見てて。」
「わかった。」
「じゃぁね、ケーキ。」
「さよなら、結海。」
背中を向けて、歩き出す。後ろは振り向かない。
俺は恋売り。
愛は売れない。





「だりぃ…。」
学校について、まず一言。
「昨日の酒か・・・。」
俺はそんなに酒に弱くはない、が、昨日はさすがに飲みすぎた。
彼女は豪酒だった。
机にうつぶせる。
「ケーキ!!」
「ぁんだよ…。」
重たい頭を上げた。
にへら、と笑いながらやってきたのは中野巳耒(なかのみずき)。
「おめぇ、昨日も仕事だったべ。」
こいつだけは俺の仕事を知ってる。
返事も聞かず、話し出す。
「いーなぁ…。最近、仕事ねーよ…。」
こいつは仕事仲間。仕事をもらいに事務所に行ったときたまたま会って、慌てふためき、オーナーが言った「二人とも、リスト取りに来て。」という台詞でお互いの立場を知った、というなんとも間抜けな仲だ。
「なんだよ、仕事入るとがっぽり儲けるくせに。」
「金持ちウケする顔でよかったぁ!!」


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