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St.レナ・テイル2 レナ
【ファンタジー 官能小説】

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レナ-7

『まず、あなたから投げてもらっていいですか』ナミの声がよみがえってきます。
≪どうだっていい≫ シーツを無視することにしました。濡れてないところへ無理やり体を曲げます。
『まずあなたから投げてもらっていいですか』 神がどう答えるかによって、私は撃ち殺されます。
自分が決めたルールなんですから、神は私に石を投げるでしょう。
だから私が払いのけるしかないのです。 私がこれからも警察にどう説明するか考えるしかないのです。
歩き方をよく考えないといくつもの地雷が埋まっています。
『まずあなたから投げてもらっていいですか』 そもそも神は私なんかに興味があるんでしょうか。
石を拾うのか。拾わないのか。それとも祈り自体を無視するのか。
神のすることを『正しい』と言います。
ナミが魔にやったように、そこにいる皆を焼いて、すべてをなかったことにして忘れるのかもしれません。
≪あたしは焼き殺されたくない≫
体を曲げているのが苦しくなってきます。
「あたしは石なんか投げられたくない。そんなのおかしいじゃない、私が何をしたの。石を投げる奴が悪いの」つぶやきました。
「それならどうするのよ」ナミでした。
びっくりしました。私の背中側の椅子にずっと座っていたようです。
≪見られちゃったのかな≫ それをごまかすように、「みんなが悪いの」
「みんなが悪いからどうなんだ」
「みんなが、分かればいいの」
「へえ」
ナミは布団をはぐと下のシーツをはぎ取って、黙って持って出て行きました。

それからアッチが魔法の事や、魔のことを少しずつ教えてくれました。
あたしは予習をしてたかのように吸収して、練習をしてたかのように魔法が使えるようになっていきました。
なぜかはわかりませんが、それは基礎の知識と低級な魔法だけでした。天才ではなさそうです。
しばらくたったある日、来客がありました。捜査官が来たというのです。
「また? 向こうから来るなんて反則じゃないの」
「あなたは未成年の病人ですからね。犯罪者でもないのですから署に呼びづらいのでしょう」
「そこにいなさい」アッチが応対に出てくれます。
「カラザです」捜査官が自己紹介をします。
≪夢のひとだ≫ 身を固くして、しっかりひざを閉じてドアの陰からのぞきました。
「まだほとんど記憶は戻っていないようです」アッチが説明してくれています。
「そうですか、それでも何かのきっかけで戻るかもしれない。 会っても?」
あたしはこの男と顔を合わせるのが嫌でした。いつ裏の顔を出してくるかわかりません。
「もちろん。わたくしはすべてを拒絶する者ではありませんよ。ただあの子のことが心配なだけですの」
「知り合いでもないのに?」
「民生員の方にも申しましたが、あの子を見つけたのも縁ですし、放っておきたくないのです」
「知らぬ者にそこまで手助けするとは。 まあ、その手の活動もしていらっしゃるようですがね」家の中を見回しています。
何か犯罪の糸口を探すような目つきです。 「以前、他の捜査員が来た時には追い返されたようですが」


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