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王女と王妃を調教する:呪われた王宮〜宿命(さだめ)を負う聖少女の物語
【ファンタジー 官能小説】

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第十五章  キエフの村-2

早くジューム国を見つけなければ。
ルナは背中でグッタリとしている。

無理もない。
遂この間までは、何不自由なく暮していた王女様だったのだ。

途方にくれそうになった時に、森が開けていくのを感じた。
もしやと思い歩を早めてみると、家々が点在する村を見つけた。

「やった、村だよっルナ・・・」
これでルナを休ませる事が出来る。

ディオンは村に入る前に、自分達の顔に泥を塗った。
まだ城のお触れは届いていないと思うけど、念には念を入れた方がいいだろう。

二人が一件の家を訪ねると、顔中髭だらけの毛むくじゃらの男がいた。

「スミマセン、旅の者ですが食料と少し休ませてくれませんか。弟が病気なんです」

「・・・・」
男は何も言わなかった。

ギロリと二人を睨むと、無視するかのように家を出ていった。
呆然と佇んでいたディオンで二人であったが、男は帰って来なかった。

痺れを切らしたディオンがルナを背負って出ていこうとすると、男が帰ってきた。
無言で促す男についていくと、隣の家畜小屋に来た。

数匹のヤギや馬の柵の横に藁が積んであった。
男はディオンの顔の前に二つの皮袋を差し出すと、短く言った。

「水と食料だ。夜はそこで寝ろ・・・」

そして積んである藁の方を見た。
ディオンは慌ててカバンから金貨を取出そうとすると、遮るような声がした。

「金はいらんっ。働くんだ・・・。
 明日・・迎えに来る」

そう言うと男は小屋を出ていった。

ハッと我に帰ったディオンは、ルナを藁の上に寝かせた。


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