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王女と王妃を調教する:呪われた王宮〜宿命(さだめ)を負う聖少女の物語
【ファンタジー 官能小説】

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第五章 噂-3

「えっ・・何・・・?」
ディオンは一瞬戸惑っていたが、決心するように声を出した。

「うん、これはあくまでも噂なんだけど・・・
 この間、貴族学校の帰りで聞いたんだ」

ディオンは、ポツリポツリと話し出した。

それはアズート大司教の事であった。
三年前の大飢饉が終わった後、アキシニス王国は周辺の国々を襲撃し始めたのだ。

農民が大勢兵に駆出され、税金も重くなって苦しんでいるという。
それを命令しているのが、王ではなくて司教だというのだ。

「う、嘘よ・・そんな・・・」
ルナの顔が見る見る内に曇っていく。

ルナは心から司教の事を尊敬していた。
アキシニス王国の危機を救い、父の病気も治してくれている。

両親も司教に対して絶大な信頼を置いているのだ。
何時も平和と慈しみを説く司教の話が、ルナは大好きだった。

教会で司教の話を聞いていると身体中が熱く火照り、勇気がみなぎってくる程なのだ。
ルナにとって、司教はかけがいの無い人だった。

「だ、だから・・噂なんだ・・・」

ディオンはルナの表情を、複雑な気持ちで眺めていた。
司教の話をする時のルナは、まるで人が違ったようになる。

美味くは言えないが、何か嫉妬のような感覚をもってしまう。
そんなルナに多少、イジワルをしてみたくなってディオンは話を続けた。

「げ、現に司教が来てからこの豪華な庭園や大きな教会を次々につくっている。いくら飢饉が去ったとはいえ、国にはそんな余分な財源は無い筈なんだ」

ディオンの話にルナは納得がいかなかったが、確かにここ数年外国への出兵も多くなっている。昨日、過ぎ越しの祭りに顔を出した農民達の顔も、痩せて疲れて見えていた。

「で、でも・・だからって・・・」


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