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ヤクトリの女
【熟女/人妻 官能小説】

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保険-2

銀三は真顔で、

「入れないでくれと言う事か?」
「良いだろう、その手前まではやるぞ。」
「でないと保険にならないからな。」

と話すと真理子は黙ってコックリと頷く。銀三は時計を見て、

「今からで良いのか?」

と聞くと真理子は頷き、

「ええ、早く拠点を知りたいの。」

とはっきりと答える。銀三は思い出す様に、

「ここからは、少し時間が掛かる所で撮る。」
「そこは、拠点に近い場所だ。」
「俺に付いて来れば良い。」

と乗降口の位置に並ぶ。周りに乗客はいない、真理子もその後に並んだ。

真理子は思わず、写真を許可すると口走った事をやや後悔していた。

(早まったかも…)
(拠点の場所を知ってると言われて舞い上がった…)
(セックスはしないと約束させたけど。)
(その手前って、この前の事を考えればかなり過激な事をするかも…)
(でも拠点の一つでも分かれば大きな成果だわ。)

とこれから行うであろう事に不安を覚えながらも拠点が判明するかもとの期待も膨らむ。だが真理子の胸は今日一番にドキドキしていたし、顔も火照ってくる。そんな自分に、

(ちゃんとして!)
(写真は約束だからしょうがない!)
(でもそれだけよ、この前見たいにならないし、なる事は無い!)

と戒め、喝を入れる。


 電車を終点の基幹駅まで乗り、地上の路線に乗り換える。そして下りの4つ目の駅で降りた。銀三は、駅から繁華街とは逆の方に徒歩で歩いて行く。7、8分歩いて商店街の裏通り見たいな通りに入っていく。

店舗や5、6階建てのビルが混在している通りで少し寂れている感じだ。そんなビルの一つに銀三は立ち止まる。入り口は板で塞がれていて、『閉鎖中、関係者以外立ち入り禁止』の看板が立っている。銀三は真理子を見て、

「ここだ。」

と言う。ビルはブロック塀に囲まれていたが、銀三はビルの右横に入って行く、真理子も続いて進む。ビルの裏に回ると一階部分に裏口が有り、銀三は鍵を取り出し開錠する。

銀三は、中に入り壁のスイッチを押すと上の蛍光灯が付いて明るくなる。真理子が中に入ると裏口の鍵を掛けた。中を進むと廊下に出る。丁度入り口を入った所に当たる様だった。

裏口からの廊下と正面から続く廊下が交差する手前はテナント用の郵便受けが多くは無いがマス目状に有り、反対側はビルの一階の受付に有る様な小窓が有る。

銀三は、廊下を右に曲がってすぐの部屋で立ち止まり、鍵を出してドアを開ける。真理子はドアの文字を読み上げる、

「管理人室。」

と呟く。銀三は、中に入って行く。すぐに少し高くなり畳敷きの和室になる。靴を脱いで銀三が和室に上がるので真理子もパンプスを脱ぎ続く。入ってすぐ右側に小さなガラスの小窓が有る、入る前に見た小窓の裏側だ。

銀三は、和室の真ん中辺りの上に吊り下げ式の蛍光灯のヒモを引くと部屋が明るくなる、ledでは無く古いタイプの蛍光灯だ。銀三は戻ってドアの鍵を掛ける。

和室は四畳半位で襖で仕切られていた。銀三が襖を開けると同じ四畳半の畳敷きの和室が有る。こちらはかなり薄暗い。銀三は、やはり部屋の真ん中の蛍光灯のヒモを引き明るくする。

2つの四畳半の部屋の奥は格子状の障子の代わりに擦りガラス状の物が入れられた木製の引き戸になっていた。銀三が引き戸を開けると台所とトイレが見えた。銀三は向かって左側のトイレの方を指して、

「トイレは使える。」
「小さいが風呂場も有る。」
「一応、水道、電気、ガス全部使える」

と説明する。真理子は、

「この部屋、普段から使っているの?」

と周りを見回しながら真理子が聞く。物は無いがホコリとかも見当たらず掃除している様子に見えた。銀三が、

「ああ、時たま泊まる。」
「残業で遅くなって電車無くなった時とかな。」
「安心しろ、掃除や虫駆除はやっている。」
「俺が泊まるからな。」

笑いながら言う。銀三の会社は仕事終わりが電車の無い時間帯の場合、タクシー代は出ないが会社の仮眠室で寝泊まりが出来た。だが銀三は仮眠室は好きじゃ無かった、少し汚かったし寝具も臭かった。

最もほとんどの従業員は会社近くの人が多く、歩いて帰れる距離に自宅が有った。仮眠室を利用するのは、銀三の他数人程度だ。真理子が訝し気に、

「いくら、閉鎖中とは言え顔見知り程度で貸してくれるの?」

と尋ねる。銀三は部屋を点検する様に見ながら、

「結構前に、ここの管理人やってたからな。」
「その頃から、ビルのオーナーとは同じパチンコ店の常連同士だ。」

と説明する。銀三の話だと半年前位にこのビルのオーナーと久しぶりにパチンコ店で会って話すと、駅を挟んで反対側にショッピングモールが出来た頃から人流が減りテナントもそれにつれ段々と去って行ったらしい。

最近は、家族経営の会社の在庫置き場位しか使っていなかったので管理人は置かなかったらしい。銀三が今の仕事で終電後はカプセルホテルに泊まっていると言うと管理人部屋を使って良いと鍵を渡してくれたとの事だ。

一旦止めた水道、電気、ガスも手配してくれて使える状態にしてくれ、銀三は光熱代として多少の金を持っていくが受け取ってくれないのでポストに金を入れた封筒を放り込んでいるとの事だ。

「今月までだ、使えるの。」
「来月から取り壊しが始まる、中国人に土地売れたんだと高値で。」

と銀三は説明しながら残念な様子だ。真理子は納得がいった様に頷く。だが余計な事を話さない銀三が多弁な事からこの部屋を使えなくなるのが余程面白く無いのだと真理子は思った。


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