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恥ずかしの高校ミスコン
【学園物 官能小説】

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裸審査-4

 当然、次は残る奈津江の番となろうというとき、美景の隣にいた梨佳が、おずおずとした声で昭代に申し出た。

「すみません、トイレに行かせてもらっていいですか?」
 彼女は顔を引きつらせ、全身も震わせていた。

「いいですよ」
 梨佳はひとまず安堵する。ここでダメだと言われたら大変だったようだ。

「けど、その恰好でね」
「そ、そんな……服を……」
「駄目です」
 昭代の対応に、梨佳は愕然となった。
 今日は部外者立入禁止だから廊下に出てもたぶん他に誰もいないとはいえ、全裸で歩くなど恥ずかしいのは変わらない。部屋を出れば女子トイレまでたった10mほどの距離でも、だ。

「わかりました……」
 それでも梨佳はドアの方に歩いていった。これまでの緊張や羞恥のせいなのか、よほど催しているに違いない。もう限界が近いのは、身をかがめ、震えながらよろよろと歩いている様子でもわかる。手を股間に当てているのは、大事なところを隠したいだけなのか、それとも懸命に決壊を止めようとしているのかはわからない。

 そんな彼女の様子を、男性教師陣はニヤリと笑みを浮かべながら見つめていた。

 梨佳はドアを半開きにして顔を出し、廊下の様子を確かめると、裸で部屋を出ていった。当然ながらそのまま逃げ出すことなどありえないだろう。
 幸い美景は梨佳のような状態にはなっていなかったが、このコンテストの理不尽さの一端を垣間見た思いだ。

「じゃあ、山西さんが戻るまで待ちましょうか」
 昭代は言い、今さらのように美景と奈津江に椅子を用意した。

 自身の番を待つ奈津江は、座りながら思案していた。
 ついさっきまで、男子生徒たちの前で裸になっても自信満々な態度できた彼女とて、オヤジ教師たちの前で全裸審査を受けるのは受け入れがたい屈辱だった。なお表情は勝気さを崩していないものの、本当は全身が震え出しそうなのを懸命に我慢していた。

 ここまできてもなお、ミスコンの優勝を目指して臨むものかどうか。

 この期に及んではいくら彼女でもこのコンテストのおかしさ、怪しさは認識せざるをえない。こんな出鱈目、無茶苦茶なコンテストで勝って得たミス和天高の称号に価値などあるのか、疑わしく思える。
 とはいえ、これでも理事長がその名を出した公認のイベントであることは事実だ。理事長の思惑はともかく、そこで得たミス学園の名は、確かに本物に違いない。どうあろうともやはり一番になることを目指すべきではないか。負けず嫌いの奈津江は、そのようにも考えた。

 もし勝ちを目指すとして、梨佳はほとんど戦意喪失している。さっきまでの様子を見ても分かることだ。このままなら脱落は確実で、もはや彼女のライバルとも言えない。

 だが問題は美景だ。何度もコンテストから逃げ出そうとしたし、勝つ気も無いような姿勢で臨んでおきながら、ここまで勝ち残っている。それ自体が許せない。
 顔がとても美形なのは認めるが、奈津江からすれば女とも思えないような貧弱な胸やカラダでありながら、彼女のライバルを張るようなポジションにまでつけたことも反感の種だ。
 あまつさえ、あそこは子どもみたいにツルツル。審査にはカウントされないようだが、あろうことかそれが男子たちから圧倒的に支持されたことも気に入らない。
 あの女がミス学園の座を手にするなんて、そんなのあたしが許さない。あの女だけは勝たせるものか……そういう思いが彼女を支配しつつあった。

 たとえ相手がおっさんたちばかりであろうと、自身の魅力を全力でアピールし、評価を上げ、ミス和天の座を勝ち取ってやる。そうしたって、後悔なんてあるわけない。
 奈津江はその決意を固めつつあった。


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