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妻を他人に
【熟女/人妻 官能小説】

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-1

 七月、A社内休憩室――。

「なあ、お前見た?」
「なに?」
「例の、ほら、Oさんの」
「あー、O……ゆきさん……」
「そう」
「見たよ、ヤバイやつな」
「あれはヤバい」
「俺もう最近ずっとアレで抜いてるわ」
「わかる、Oさんより十歳年下の俺の彼女より良い身体してる」
「まあ本当に本人かは分かんないけどな」
「でも本人だと思ってシコったら興奮しすぎてヤバかった」
「今日Oさんと会話してたんだけど、あーこの可愛らしい口で極太不倫チンポ咥えちゃったんだーーって考えたら内容全然入ってこなかった」
「社内歩いてると思わずあのムチムチのケツ目で追いかけちゃうわ」
「パツンパツンのスカートに顔押し付けて匂い嗅ぎてー」
「昔の画像でそれやられてるのあったな」

 A社のいたるところで、オンオフ問わずこのようなやり取りが繰り広げられていた。誰が言い出したのか、「素人掲示板の『人妻ゆき』が、当社のゆきさんに似ている」説、である。確証などひとつもないが、背格好も年齢も雰囲気もドンピシャだということで一部社員が騒ぎ出し、今や若手から中堅男子社員を中心に全社に広まっている。

「なんだなんだ、お前らもOさんの話?」
「うわっ、いきなり割り込んでくんなよ」
「うちの部署でも最近男が集まるとその話しかしてない」
「お前のとこも? うちの会社の男はみんなOさんでヌいてんじゃね?」
「この前飲み会で鑑賞会しちゃったよ」
「なんだよ、鑑賞会て」
「各自おすすめのOさん動画や画像を発表しあって優勝を決めるやつ」
「バカかよ! で、優勝は?」
「全会一致でアナルヴァージン喪失動画でしょ」
「あーー」
「画面の左にネットで拾った清楚なOさん画像、右にアナルセックス動画並べて何度も抜きました」
「我が社の男子社員あるあるだな」
「先輩は、たしか年齢近いんですよね」
「俺? あぁ、Oさんはいっこ下。今じゃ俺の上司だけど」
「どうです? 先輩も」
「なんだよ先輩もって。言われなくたってメチャシコだよ。新人時代、『ゆきちゃん、ゆきちゃん』てみんなからお人形のように可愛がられてたころから知ってるからな」
「昔の写真もありましたよね」
「まさにあんな雰囲気でさ。『OLゆき』時代のスレは着衣の画像も多いじゃん? 『あーゆきちゃん昔はこんな雰囲気だったなー』って」
「服とか所持品で特定できないんですか?」
「さすがに時間立っちゃってるからなあ。でもOLスーツでヤッちゃってるのなんか、当時の清楚で可愛らしいゆきちゃんと重ね合わせると胸がキュンとなるわ」
「いい歳したおっさんが胸キュンですか」
「うるせーな。そのくらいみんなのアイドルだったんだよ、ゆきちゃんは」
「そのみんなのアイドルが水着着たまま野外で犯されてるのもありましたね」
「海岸の岩場でがっつりヤラれてた」
「俺はやっぱ浴衣ファック推し」
「裾めくったらノーパンだったやつか」
「そうそう、花火大会の帰りかなんかで。路地裏でスレ主に言われて」
「恥ずかしそうに浴衣の裾つまんで股間チラ見せしてた」
「Oさん、マン毛濃いよな」
「実物もあんなかな。ごくり」
「マン毛ボーボーのノーパン浴衣美人と青姦とか裏山すぎる」
「俺もうOさんの顔、正面から見れないよ」

 昨今セクハラだコンプライアンスだの煩いので表向きは皆おとなしくしているが、気のおけない者同士が集まれば、男など所詮こんなものである。すでにA社の男性社員の中では「Oゆきさん=(イコール)人妻ゆき」は半ば周知の「事実」として語られていた。彼ら全員にゆきは視姦され、脳内で犯され、陵辱されているのだ。

「ゆきちゃんと言えばなんといってもK大の『裏ミス』だったからな」
「うわっ、W専務!? いたんですか?」
「お前らのセクハラ発言、すべて聞かせてもらったよ。本件はすべてハラスメント対策室に報告しておく」
「勘弁してくださいよー」
「ははは」
「それより専務、なんすか裏ミスって」
「知りたいか?」
「めちゃくちゃ知りたいし、専務もしゃべりたいんでしょ?」
「俺もう百回くらい聞いた」
「えーー? 僕にも教えて下さいよ」
「ははは、しょうがないな。裏ミスってのはさ、学祭のミスコン不参加者の中での美人ナンバーワンを決めるK大の伝統行事だったんだよ。非公式の」
「饒舌にしゃべりはじめた」
「そういえば専務もK大でしたね」
「で、就活の三次面接かな? 俺が担当だったんだけど、後で後輩からあの子、裏ミスですよって聞いて納得したね。断トツ一位の得票だったって」
「表にもエントリーすればよかったのに」
「入社後本人に言ったことあるよ。周りから推されてエントリー寸前まで行ったって」
「なんでやめちゃったんすか?」
「K大のミスコンは女子アナ志望ばっかでドロドロしてるから巻き込まれたくなかったらしいよ」
「たしかに毎年のようにキー局の女子アナ輩出してますね」
「でもOさんが誰より女子アナっぽくね?」
「たしかに。美人広報スレでもさんざん言われてる」
「そういうきらびやかな世界に見向きもしないOさんがまた素敵じゃないですか」
「例の美魔女グランプリも知り合いに勝手にエントリーされてたんだっけ?」
「うちにも出入りしてる広告代理店の人」
「E通堂のFさんな。実は俺が彼に相談受けてたんだよ」
「専務が?」
「ネット投票まで残ればウチの宣伝になるしシナジー効果がウンタラカンタラでどうですかってな」
「へー」
「E通堂でちょうど美魔女の目玉になるような素人参加者探してて、ゆきちゃんに白羽の矢が立った」
「たしかにゆきさんなら容姿はもちろん、一部のネット民のアイドル的存在ですからね」
「んで、Fさんとこにもお世話になってるし、あくまで業務の一環として俺からゆきちゃんに頼んだ。あ、勝手にはエントリーしてないぞ、言っとくが」


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