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『香奈子〜愛撫はオンブルローズに包まれて〜』
【その他 官能小説】

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『香奈子〜愛撫はオンブルローズに包まれて〜』-3

腰が浮く感覚…。押し付けようとさえ見てとれる香奈子の動きに、敬一が反応する。鼻、唇、舌、顔の半分を埋めてくる。香奈子の…秘部に…。聞くに堪えない筈の、淫らな音が、今の香奈子には愛しい…。
“こんなにも舐めてくれる…激しく…強く…私を知っている…”
 舌先が上下する。前後する。撫でる様に。刺し込む様に。敬一の腕で支えられた香奈子の両足は、その力でさらに大きく広がり、濡れ光る秘部を露わにする。
「いいっ…気持ちいい…よ…」
 顔を振り、香奈子は喘ぐ。奥歯に力を入れようとして、諦める。喉の奥から込み上げる、淫らな母音を抑えることはできなかった…。

 唐突な力で、香奈子の体が浮く。感覚ではない、リアルな浮遊感。目を開ける。敬一の顔。グルリと視界が回る。天井。壁。抱きかかえられた自分に、気付く。敬一の胸の中にいる。今日始めての…軽いキス。ベッドに静かに下ろされ、もう1度…軽いキス。一瞬、見つめ合う。香奈子の手が、いきり勃った敬一のペニスを捕らえる。ゆっくり…上下に…動かす。ビクっと脈打つ、いつもの感触。硬く、熱く、いやらしい感触。香奈子の両足を割って、敬一が腰を沈めてくる。香奈子は手を添えたまま…まるで導く様に、そのペニスを秘部へとあてがう。
「来て…」
 敬一が小さく頷く…。

 夜毎思い出しては、自らを慰めた敬一の“感触”。秘部に挿入された“感触”は、神経を伝い、脳を経由して、再び全身に歓喜の電流を送る。
「あぁぁぁっ…」
 のけ反り、喉を鳴らして、香奈子は快楽の闇へと放り込まれる。目を閉じても、目を開けても、何も見えない。実体がない。逞しく勃起した敬一のペニスを受け入れた自分には、もう、何も映らない。奥へ、奥へ、突き当ててくる敬一の動きに合わせ、ただただ淫らな喘ぎ声を上げるしかない自分を、香奈子は知っていた。また、そんな自分にも酔えるほど、敬一の動きは香奈子の弱い場所を知り尽くしていた…。

 決して美しいとは言えない敬一の疲れた肉体が、香奈子には今、たまらなく愛しい。香奈子に大きく激しい波を起こす、何ものにも替え難い存在。小刻みに息を切りながら、敬一がペニスを突き上げてくる。愛液が音を立て、零れてゆく。ペニスの動きに紛れて入り込んだ空気が、香奈子の秘部でだらしない音となって排出される。肉と肉が溶けあう感覚。背中を貫く絶頂。軋むベッドが、二人だけの居場所。宙に踊る開かれた足。顎から落ちる汗。求め合う。与え合う。頭でなく、体で覚える互いの存在。半開きの口で名前を呼ぶ。放出された熱が、肌の上で、揺れて流れる幸せを、香奈子は感じていた…。

「おはよう…支社長」
 香奈子の甘えた声。目も開けず、言葉も発せず、敬一が香奈子の首を引き寄せる。ベッド。二人。薄白い朝。静かなキス…。香奈子が今の会社に入社した時、敬一は直属の上司だった。話の分かる先輩的な存在に香奈子は信頼を寄せ、また、敬一も好意的に香奈子に接した。やがて惹かれ合い、自然な流れの中で、二人は同じ時を重ねてきた。周囲に気付かれることなく…。会社が新しい支社を開設することになり、敬一をその責任者として辞令を下したのは、二人の関係が3年を過ぎた頃だった。

 辞令は、敬一の能力への評価でもあったが、何より、新支社が敬一の生まれ故郷に開設されることが大きな要因だった。
「一緒に来てくれ」
 内定を知らされてから、敬一は何度も香奈子に迫った。結婚。栄転。寿退職。華やかな文字が目の前に浮んでは、香奈子の体を切なくくすぐった。
「一緒に…行けない」
 病弱な両親から離れるには距離があり過ぎた。自身の仕事を辞めるには、あまりに惜しかった。自分の街が、好きだった…。そして、そんな迷いを振り切る程、敬一への想いにすがってない自分に気付いた。
「今のままで、いい…」
 香奈子の声に、敬一が大きく息を吐いた夜、二人は現実を受け入れた。

「大事な報告会議でしょ?支社長さん」
 絡み付く腕を振り解きながら、香奈子はおどけて敬一を揺り起こす。
「ボサボサしてたら…新婚ボケって言われるぞ」
 香奈子の一言に、敬一の神経がピクリと反応する。二人の間に一瞬支配する沈黙。3ヶ月前。敬一は結婚した…香奈子ではない、別の女…。鏡の前でメイクを直す香奈子。背中に敬一の声。思うように業績が上がらないこと、今回召集された会議の目的、他の支社長はホテルなのに自分だけがレンタルマンションだということ。大人なのに子どもみたいな敬一の話し方…香奈子は鏡越しに小さな笑みを返した。


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