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『彩音〜刻まれた夏の熱〜』
【その他 官能小説】

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『彩音〜刻まれた夏の熱〜』-3

糸を引いて、唾液が二人の唇を、繋ぐ。左の頬に、恭一の掌(てのひら)が、温かい。
「明日から…撮影」
恭一の胸元に唇を当てる。
「スタジオじゃないの?」
愛撫をしながらの会話は、鳥肌が立つほどに、いやらしい…。
「ロケ…2日ほど…泊まり…に、なるから…」
恭一の小さな乳首を口に含みながら、私は、軽く頷く。舌先が、私のものとは思えない動きで、恭一の乳輪をな撫ぞる。下腹部に、脈々と血液が集まるのを感じながら…。堪えきれず。クスリ、と笑ってしまう、淫らな、私…。
「何…?」
恭一の手が、私の顔を上げる。
「もう、硬くなってる…」
私は下腹部にある、恭一のそれに指を送る。5本の指で包み込む。悪戯に、上下に、動かしてみる。照れた様に、小さく息を、恭一が、吐く。大きく、強い、力が、私の体を押し退ける。視界に天井が現れ、恭一の目が、私を一瞬覗き込む…。

 乳房に受ける、愛撫。濡れた、舌先。吸引を繰り返す、唇。少し油っぽい、男の肌が、こんなにも心地いい…。私の乳房に顔を埋め、短く息を切って、恭一が、私を求める。真下から持ち上げる様に、乳房を揺さぶる。硬く突起した乳首を、指間で、唇で、挟んでくる。意図的にだらしなく、唾液を乳首にこぼしてくる。それを舌先で伸ばし、再び強く吸い付いてくる。恭一の口の中…温かく、熱い、その中で、あしらわれる様に、乳首が転がされる。閉じようとする、瞼。開こうとする、脚。肌に浮かびくる汗が、少しづつシーツを湿らせてゆく。両手で恭一の頭を抱き寄せ、力任せに乳房を押しあてる。息苦しそうに、恭一が顔を左に傾ける。鼓動。呼吸。脈。体の全てが、加速していく…。

 美しい顔は、例え、闇の中でも、美しい。テレビの明かり。うっすらと見てとれる恭一の顔。愛撫に喘ぎながらも、私は、その涼し気で凛とした顔に、心を奪われる。首筋。その美しい“顔”が、近づいてくる。細く柔らかい髪が、鼻先にくすぐったい。滑らかに駆け下りる感触。限界にまで伸ばされた恭一の舌が、首筋を丁寧に舐めていく。耐えることが愚かだと言わんばかりに、私の淫らな母音が部屋の中に溢れていく。それは、心から、好きだから。胸の奥底から、欲しいと願っているから。無意識という意識。私の手は、熱く血液を溜めこんだ、恭一のペニスを握りしめている。手の中に溢れる、熱。象徴というべき、隆起。私に対して向けられている、恭一の性欲。それが…嬉しい…。


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