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夏ときみ
【元彼 官能小説】

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夏ときみ-2


「お邪魔します」
「今、ここ、誰もいないんだ」

明らかに興奮している目を瑠花に向けて彼は言った。彼女は妖艶に微笑んだ。分かってるよ、と言ったつもりだった。彼の喉仏がごくりと上下する。彼に手を取られ、2階の部屋へ向かう。先程より手汗は酷くなっていた。緊張しすぎだろう、少し頬が緩む。バタン、とドアが閉まる音が合図だった。彼はベッドに腰掛け、俯き、か細い声で、好きだ。と言った。ただ彼女は彼を好きじゃないから、私も、とは言えなかった。数瞬の後、ありがとうとだけ伝えた。立ちっぱなしもどうかと思ったので、挑発の意も込めて彼の隣に腰掛けた。卒然、彼が泣きそうな顔をこちらに向け瑠花を押し倒した。

「ごめん。ごめん……!」

彼は欲情しきった獣のような目を必死抑えようと頭を振る。瑠花はなんだか彼が可哀想になってきて、彼の頬に自らの右手をするりと添わせた。にこりと微笑み、できるだけ厭らしく。

「……いいよ直くん、おいで」

暑さにあてられたんだ。そうでも思わないと罪悪感に殺されそうだった。瑠花は彼の頬にキスをした。すると、彼は待てを解かれた犬のごとく彼女を貪り始めた。べろりと頬を舐め、かぶりつくようにキスをした。ブラホックの外し方に手間取る彼を案じて先に外そうとすると、俺にさせて、と言ってきた。案の定スムーズにとは行かなかったが彼は満足気だった。ブラウスの前を寛げ、スカートは脱がされた。全身を這っていた(胸での滞在時間については言及しないでおこう)舌は、とうとう下腹部に至った。下着の脇に指を滑らせ、瑠花は脱がせやすいように腰を浮かす。介護のようだな、とひとり思っていた。彼女自身案外興奮していたようで、脱がされた下着は細い糸が引いていた。彼は恐る恐るその太い指を秘部に置いた。ごくり、息を呑む音が聞こえた。くちゅ、と水音がする。触られるのは久しぶりだったので、素直に快感だけを拾おうと雑念を振り払うのに必死だった。

「やべ……」

彼のジャージは可哀想なほどにテントが張ってあった。もう楽にしてやったらどうだろうか。瑠花は腹筋を使って起き上がり、彼のジャージのゴムに手をかけた。蝶結びの紐を解き、下着と一緒にそれを脱がすと、ぶるん、と元気に育った肉棒が現れた。先からは先走りが漏れ、2、3回擦ればその先端から白濁を噴き漏らしそうな程であった。

「いっかい、出しとく?」
「…いや、中でイキたい…から」

ぬめりが垂れ、糸を引いてシーツにしみを作る。さすがに興奮しすぎでは?と思うも口には出さなかった。表面を機械的に擦るだけだった彼の指は、次第に瑠花の中に侵入してきた。彼女はひとりでするのが好きで、もう中だけで感じられるように作り替えていた。彼の太い指がダイレクトにいいところを撫でていった。もっと強くしてもいいのにと思ったが、どうせあの肉棒が激しく出入りする頃には忘れているだろう。水音が次第に激しくなり、私も快感を覚え始めてきた。

「あ……っ、ねえ、もう……」
「……挿れても、いい?」

勃ち過ぎて痛え、と彼は笑った。ゴムを被せようとした彼に、瑠花は言った。

「私、生理重くてピル飲んでるから、生でシてもいいよ?」

健全な男子学生には悪魔の言葉であっただろう。彼の頭からは優しくしなければいけない、ということがすっかり抜け落ちたらしい。まるでオナホールでオナニーをするように、瑠花の花弁を肉棒で掻き分け、乱雑に貫いた。

「あぁ…っ!?い、痛、…っ!」
「……っ、ごめん、腰、止まんない……!」

必死な顔して、犬のように腰を振る彼は最早滑稽そのものだった。はあ、はあ、と熱い吐息と、あ、だかう、だかの喘ぎ声が聞こえた。適当に腰を振っているだけなのに、体位的な問題なのか偶然にも瑠花のいいところをガツガツ突いてくるので彼女も声を上げてしまった。

「あ、やべ、きもち、」
「あ…っ!ぁん…っ、い、く…っ」

彼女は背をしならせ、あ、あぁ、あと声にならない声を上げ、絶頂を極めた。その反動で彼の肉棒の形がわかるくらいに締め付ける。

「お、俺も、いく…っ」

彼の肉棒は孕ませんとばかりにさらにさらに奥へと進み、オーガズムによって降りてきた子宮口までたどり着いた。そこまではひとりでは届かず触ったことがなかったので、突かれた衝撃は半端でなかった。内臓がすべて揺らされるような、気持ちいいのか悪いのかわからないような、そういうものだった。生憎瑠花の馬鹿みたいな身体は前者でとってしまったらしく、更なる快感が彼女を襲った。膣壁はぎゅんぎゅんとうねり、その度に彼が明らかに呻いた。抽送がとうとう速まり、彼の絶頂を示す。

「あ、ぅ、いく、中、中で射精る、っ」

彼は子宮まで突き破るのかというくらい強く押し付けながら射精した。びゅうびゅうという音が聞こえるかのような長いものだった。瑠花は射精の衝撃であえなく2度目の絶頂を迎えてしまった。数十秒経って、彼が少し萎えた肉棒を抜いた時も、絶頂の律動に合わせてぴゅっぴゅと吐き出されていた。反射的に下腹部に力が入り、ごぽりと膣口から今中に出されたばかりの精液が大量に溢れ出した。今までもっと恥ずかしいことをしていたはずなのに、彼はその光景に今まででいちばん顔を赤くした。何だか嬉しくなって瑠花は股を広げ、見せつけるように指で精液を掬い弄んだ。ふと彼の肉棒を見ると、先程よりは少し萎えていたものの元気に天を仰いでいた。


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