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「旅立ち」
【女性向け 官能小説】

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「旅立ち」-3

首を回して肩から彼を見た。

彼は裸で膝を抱えてわたしを見ていた。

ここには裸の二人がいる。

「きれいだ」

初めて彼にほめられた。嬉しいと思う。

それと同時に上から顔がかぶさってきた。

激しいキス。こんなに激しい人だったなんて

彼が触れるたびあまりの強さに激しさによろけてしまう。

姿勢を保つのが精一杯。



わたしの肩を胸を腹部を強くなで

舌でなめつくす。

再びライオンは襲い掛かる。

いきなり腕を持ちひっくり返す。

背中をなめお尻をなめ

わたしは感じ始めていた。

そう,じゅんじゅんとあふれるあたたかさ。

それを知られるのが恥ずかしく脚を強く閉じる。

それなのに下着を引き下げ

驚くほど強い力で脚を開かれる。



ざらっとした感触で背中が引っ張られる。

頭がのけぞる。

・・なめる。なめ上げる。

そう彼はライオン。

わたしの身体に興味を持って遊びはじめている。

わたしの呼吸は再び激しく顔と手がしびれていく。

声を出すことも難しい。





彼が身体を離した。

わたしは両腕で胸をかばった。

脚を強く閉じた。

わたしは猫のように転がりうつぶせになった。

頭が朦朧としてきた。今日のところはこれで許して欲しいと思った。

しかし、言えない。



わたしの背中を指ではじく彼。

「どうしたの。女の仕事しないの?」

「はい」

「できないんだろう。」

「いえ。」

「できるの?」

彼は笑っている。

彼にまとわりつく彼女たちのことをふと思い

悔しくて唇を強くかんだ。

「やめようか」

はいと答えたい気持ちと

彼女たちに負けたくないという気持ちで揺れる。



「やめようね。」

「いえ。続けて」

彼は笑っている。声の調子でわかる。

「脚を開いて。自分でやってごらん」

驚いてわたしは飛び上がるように正座をした。

できません。そんなこと・・言葉では言えないけれど目で伝えた。

「はは。冗談だよ。君のことはわかってる。」

正座したわたしの肩に手をかけ

今度はゆっくりと倒した。

わたしがこんなに大変な状態なのに

彼は余裕でわたしをからかっている。



わたしの上に身体をかぶせ

おだやかなキスをした。

彼の舌がなめらかに動き

わたしは目を閉じたままうっとりとした。

彼が身体を動かした瞬間,

わたしが押し開かれ

彼を感じた

貫かれていると感じた。



内臓が貫かれ・・激しく貫かれ

全身が揺れ・・激しく・・痛みが走る。



彼とはもちろんはじめて。

ゆっくり優しくして欲しいのに。

痛みを感じる。・・痛い。

もっと優しくもっとゆっくりして。

バイク好きの雄ライオンは

女の気持ちなんか考えるはずもなく

激しく激しく・・涙がこぼれてもおかまいなし。

痛みを耐えた。女の仕事という言葉が頭を巡る。

身体をはずして腕をつかみ後ろ向きにさせられる。

お尻に硬いものを感じる。

場所を探っているんだ。

わざと身体をずらし入らないようにする。

だけど,あたたかく濡れた身体は

そこに注ぎ込まれるように導いてしまう。

身を任せているうちに心地よく感じるようになった。

男女の交わりは苦痛でしかないと思っていたけど

今,はじめて心地よいと感じた。


明日は成田から飛び立つ人。

死に行く俺を待つなと言い放つ人。

猫がひときわ大きく鳴いた。わたしの代わりに。

おわり


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