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芳恵叔母ー暴かれゆく性癖
【近親相姦 官能小説】

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嫉妬の夫人-1

 芳恵が舌で犯されたというのに、僕の陰茎は張り詰めていた。痛いほどに張り出した陰茎を、ズボンの上から何度も撫で、鎮まるように願うのだが、落ち着く気配はなかった。
 すべてが終わった退廃的な雰囲気から、僕は逃げ出すように後ずさりする。
 絶頂を叫んだ芳恵の声が、何度も僕の脳裏に蘇り、そのたびに胸に深く突き刺さる。僕の中に、どす黒い思いが沸き上がり、浮かぶ顔は鴨居老人夫妻が憎悪の対象になった。
(変態老夫婦め・・・。芳恵を食い物にして・・・)
瑠璃子夫人には罪はないだろうが、老女が事務所を離れなければ、芳恵が老人の餌食にはならなかった。瑠璃子夫人が言った、本当に社用ならば、僕は憎悪しなかったに違いない。色ボケともいえる年齢の老女が、昼間より、恐らく金にあかしたのだろう、若いツバメとホテル通い。許せない、と思った。
 そして芳恵だ。彼女にはどのような顔をして、相対したらよいのだろう?彼女は今や大事な僕のオンナ。その彼女は老人の悪戯を拒み続けたものの、ついには陥落し、喘ぎ声とともに果ててしまった。被害者だ、というのはわかる。わかるからこそ、なんと声を掛ければいいのか?
 慰めの言葉だろうか?それとも、感じない、と言い切ったのに、絶頂を迎えて身を震わせたことへの裏切りを罵る言葉か?いっそのこと、不貞を怒り、憎んでしまえばいいのかもしれない。しかし彼女の肉体で目覚めた僕にはそれができない。彼女のカラダに包まれる感覚が陰茎に蘇り、僕はさらに勃起した。これほどまでに彼女の肉体に恋い焦がれた時はない、と思った。
 ふらふらと事務所を出た。どこへ行くでもない、事務所駐車場まで歩き、芳恵の車の前に、なんとなく佇んだ。車に背を預け、撮った映像を確かめることも思い至ったが、見る勇気はない。行き場を失った気がした。
 ラブホテルに消えた古いベンツが帰ってきた。うやうやしく手を差し伸べた運転手に手を引かれ、瑠璃子夫人が驚いた顔をする。当然のこととして、車内にはあの若いツバメらしき男の姿はなかった。
 「どうしましたの?」
瑠璃子夫人がニコリと満ち足りた笑顔を見せる。その笑顔の訳は分かる。オンナの笑顔だ。芳恵とセックスを堪能し、互いに満ち足りた時浮かべる芳恵の笑顔と重なり合う。やはり、瑠璃子夫人は、あの若いツバメらしきオトコと歓を尽くしてきたのだろう。
 事務所を締め出されたようだ、と答えると、瑠璃子夫人の眉がつり上がった。
「あの人・・・、まさか、芳恵さんと?」
つい口が滑った、というような表情をし、はっとした顔を僕に向ける。僕は聞かなかった振りをした。
 スラリと高い背の、瑠璃子夫人の両肩を怒り肩にしたまま、事務所入り口に手持ちのサブキーを入れた。その時僕は、茫然自失のあまり、カギをかけておくことを忘れたことに気が付いたが、瑠璃子夫人は鍵が開いていることを気付かず、中に踏み込んでいく。僕もあとに従い、この後どうなるかを目撃するつもりだった。
 事務所のデスクには、既に芳恵の姿はなかった。鴨居老人が眉を上げ、瑠璃子夫人の姿を認めると、
「お帰り、早かったですね」
と、自然を装い、夫人を招いた。
 夫人はしばらく室内を見回し、不倫の証拠がないか、鼻を鳴らして文字通り嗅ぎまわる。部屋用の消臭スプレーの匂いしかしない。恐らく老人が、芳恵の性臭を誤魔化すべく、デオドラントをまき散らしたのだろう。
 結局証拠らしい証拠はなく、老人の周到さだけが目立った。僕は芳恵のことが急に心配になり、彼女がいるであろう書庫が脳裏に浮かんだ。
「仕事に戻ります」
そう言い捨てて、書類紐の束を手近な机の上に置き、書庫に向かった。


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