リサ・クリスティー-5
翌日、リサから義人に連絡が入る。
「リサ、どうしたんだ？」
「義人！カノンに連絡するんだけど
返信が無いのよ……
なんか心配になって
それで義人にも連絡したんだけど
何か知らない？」
「いや、知らないけど…」
「既読にもならないから心配で」
「そうだな
すぐに既読つけるヤツが未読って
おかしいよな?
俺からも連絡してみるよ！」
「うん！お願いね」
義人もカノンに連絡をするが
既読にはならない。
特別休暇を貰っているが
仕事で出られないって事はない。
義人も心配になってくる。
「リサ、俺が連絡しても
既読にはならないよ」
「やっぱり何かあったのかしら？」
「俺、ちょっと心配だから
心当たりを探してみるよ」
「私も一緒に探すわ
何処に行けば良い？」
「そうだな
まずはショッピングモールから
探してみるか！」
「わかったわ
ショッピングモールね！
エントランスで待っているわ！」
「分かった！俺もすぐに行く！」
リサと義人はモールの
エントランスで落ち合う。
「ごめん義人！
何か手伝わせちゃって……」
「いや！俺たち友達だし
心配するのは当然だから」
二人はショッピングモールを
一階からカノンを探して廻る。
アバターではあるが
社会人の義人と中学生のような
ダミーアバターのリサは
まるで
歳の離れた
兄妹のようであった。
最上階のレストランまで来るが
カノンの姿は無い。
「ココには居なかったか……」
「他にカノンの
行きそうな所は無いの？」
「俺はカノンの行くところとか
把握してないし、ここ以外は
会社とフレンドルームでしか
一応、会社も見に行ってみよう！」
二人が話している時に
警察官に声を掛けられる。
「申し訳ありませんが
お二人はどういった
ご関係ですか？」
義人:
「え！？」
警察官:
「お年が離れているようですが
どのようなご関係で？」
警察官が睨むように
義人を見ている。
義人:
「えっと……会社の同僚ですけど…」
警察官:
「年齢は？」
義人:
「25ですけど……」
警察官:
「そちらのお嬢さんは？」
リサ:
「24です」
警察官:
「はあ、24歳で
そのアバターなんですか？
リアルで１８歳以上でも、
１８歳以下のアバターでの
不純性交流は
児童ポルノ法違反になりますよ？
ご存知でしたか？」
義人:
「それは知ってますが
これには事情があって……」
警察官:
「身分証明データを
ご提示願えますか？」
二人は素直にデータを提示する。
警察官:
「ふむ
年齢は間違い無いようですね
ここでは何ですから
お話しは署の方で
お伺い致しましょう」
義人とリサは警察署へと
連行される。
二人は事情聴取を受ける。
警察官:
「えっと……西園寺義人さん
２５歳……間違いありませんね？」
リサ:
「え！？西園寺？」
義人:
「はい、間違いありません！」
警察官:
「で、こちらは
桂美里さん、２４歳で
間違いありませんね？」
(え？桂美里？)
リサ:
「はい、間違いありません」
警察官:
「あなたは
現在、リアルでは
身体治療中ですよね？」
リサ:
「……はい……そうです……」
警察官:
「バーチャルでは
動ける訳ですね？」
義人:
「ちょっと待ってください！
別に性行したわけでも無いし
こんな聴取可笑しく無いですか？
会社に問い合わせて下さい！
事情があって
このアバターですけど
僕たちは同僚なんです！」
警察官:
「分かりました。どちらにせよ
身元引受人に来て貰わないと
お返し出来ませんしね」
警察官は会社に連絡をする。
しかし
西園寺義人と言う
登録名は存在せず
釈放して貰えない。
それと
桂美里と言う登録もなかった。
警察官:
「身元引受人が居なければ
釈放は出来ませんので
今夜はこちらに
お泊まり頂く事になります」
義人:
「そんな……親ならいいですか？
父親に連絡を取って
貰いたいんですが！」
警察官:
「良いでしょう
親御さんに連絡取っても
いいんですね？」
義人:
「お願いします！
会社では僕の事を知っているのは
父だけなんです！」
警察官:
「解りました。
連絡先を教えて貰えますか？」
警察官は別室で
義人の父親に連絡をする。
しばらくして
警察官が戻ってくる。