投稿小説が全て無料で読める書けるPiPi's World

キョウゴ
【その他 官能小説】

キョウゴの最初へ キョウゴ 5 キョウゴ 7 キョウゴの最後へ

アヤノ-2

―ドラッグだ…―

信じられなかった、絶対に信じたくなかった。
しかし、今私が手にしているこの瓶は、信じたくはない事実を否定してはくれない。

私はドラッグの収められた瓶を手にしたまま、その場に座り込んでいた。
扉の開いたままの冷蔵庫から流れ出る、心地好い冷気を頬に感じた。

―見なかった事にしてしまおうか…―

そうすれば修とはこれまで通り、何事もなかったように過ごせる。

―そうだ、そうしよう―

修を失いたくはなかったし、彼がこの事を隠していたという事は、私に知られたくなかったという事。
私が彼の秘密を知ってしまった事を彼が知れば、きっと私達の関係は壊れてしまうだろう。
私はこの瓶を見てしまった事を心の奥にしまい、修には何事もなかったように振る舞おうと考えた。

しかし、それは叶わなかった。
私が瓶を元あった場所へとしまう前に玄関のドアが開いてしまったのだ。
「バタンッ!!」
修は瓶を手にしたまま冷蔵庫の前に座り込む私を見るなり、乱暴にドアを閉め、そのまま私をベッドへと引きずった。

そして恐怖と悲しみだけの支配する時間が始まった。


『ごめっ、ごめんなさい…。』
感情の読み取れない表情で私を見下ろす彼に、私は言った。
たが彼に私の言葉は届いていないようだった。
きっと私が彼の秘密を知ってしまった事が、修に冷静さを失わせてしまったのだろう。
私はその後、ひたすら彼に謝り続けた。一体何に対して謝っているのかもわからないまま…。
彼の視線から逃れる様に首を反らすと、床に転がる瓶が目に入った。

そしてだんだんと視界がぼやけて震え始め、瓶の形がハッキリとわからなくなった瞬間、私の意識は途絶えた。


私は受け入れ難い現実から逃れるかのように、虚ろな意識の中を漂っていた…。
優しく微笑む修が私を胸に抱き、暖かな腕が私を包んでいる。
私はその体を抱き返し、彼の抱擁に応える。
―大好きな修に、これからもずっと抱かれていたい―

しかし、それは虚でしかなかった。
私の意識は彼の欲望が吐き出された瞬間、現実へと引き戻された。


彼が体を離すと、私は秘部に強い痛みを感じた。
シーツには無数の赤い染み、そしてその染みを作った私の花弁からは今も血液が流れ出ていた。
頭がどうにかなってしまいそうだ…。
何かを考えなければならないという強い焦燥感はあるのにもかかわらず、頭も心も空っぽで何も考える事が出来ない。

「…………めんな…。」
修が何かを言った事に気付きはしたが、何を言っているのか理解する事は出来なかった。


キョウゴの最初へ キョウゴ 5 キョウゴ 7 キョウゴの最後へ

名前変換フォーム

変換前の名前変換後の名前