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ブービートラップ
【ショタ 官能小説】

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1990年7月3日-1

1990年7月3日

私は、町で唯一の総合病院であった市民病院の心療内科(精神科)に配属された。多治見市は元来は鄙びた田舎町だったが、大都市名古屋の通勤圏内にあり、私が赴任した当時、宅地造成が急ピッチで進められ人口が急増していた。そのせいか、私の科は、山を売って俄かに得た泡銭で酒や賭博や女に走り身を持ち崩す中年男や老人の患者で溢れかえっていた。

そんな時、私は1人の中学生の少年患者のカウンセリングを担当することになった。その少年のカルテ、および母親からの聴取記録によると、彼は暇さえあれば成人向けの雑誌を見て自慰行為に耽っており、学校の成績の低迷や低身長との間に強い相関性が疑われるため、直ちにやめさせたいとのことであった。

私は、内心「マジか?その年齢の少年だったら、ふつうエロ本の1冊や2冊、部屋のどこかに隠し持っているだろう。そんなことにいちいち目くじら立てて、ガキを精神科に連れてくる母親の方がどうかしている。」と思った。

カウンセリングセッションで、その少年と初めて会ったとき、なぜか私の胸がキュンとした。そんな感情をそれまで一度も体験したことがなかったため、私は少なからず動揺した。この一見すると何の変哲もなさそうに見える少年の一体何に、私は反応してしまったのか?カウンセリングの間中、私はテンパりっぱなしで噛みまくった。頭がボーっとして、自分がしどろもどろになっているのが分かった。一体、どちらかが、患者なのか分からなかった。私は看護師失格だった。

30分のセッションはあっという間に終わった。自分たちが何を話したのかよく覚えていない。だが、私はこのままずっと彼と一緒に話し続けていたいと思った。私の身体の中で、何か得体の知れない化学反応が起たのだ。次に、彼に会えるのがとても待ち通しかった。

カウンセリングを重ねるに連れて、私は自分が彼に一目惚れしたと確信するようになった。私は、彼を私の色に染め上げたい衝動に駆られ、職務規定を破り、彼に連絡用のPager(ポケベル)を渡した。

私と彼は、私の誘いで行った山のコテージで初めて結ばれた。私は、男と姦通することをずっとおそれていた。だが、実際にシテみると、予想とは裏腹に、それはとても甘美な体験だった。相手が、あの少年だったせいなのか。けれども、あいつのテクニックが上手すぎるのが気になった。どこかで、別の女とシタことがあるに違いない。

けれども、少年から「彼女になって」と言われたとき、私は完全に舞い上がり、もうそんな過去のことはどうでもいい気がした。大切なのは、これからの2人の関係だ。

私は、今でも彼と付き合っていたのだろうか。あの事件さえなければ。。。彼は今どうしているのだろうか。

あの忌まわしい事件の後、私は『女』を捨てようと決意した。そして、少年に宛てた手紙をナースステーションに残して、故郷沖縄に帰った。そして、直ちに具志川(うるま市)のCamp Courtney内にある海兵隊第3遠征旅団(The Third Expeditionary Brigade)本部の新兵募集事務所(Recruitment Office)を訪れ、志願した。この基地は、母親がレイプされて私を孕んだ因縁の場所だ。だが、私は「そんなのは意に介さない」と自身に言い聞かせた。私はもう既に、悪魔に自分の魂を売り渡したのだから。


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