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演歌の性奴隷
【SM 官能小説】

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その1 堕ちた美人歌手-3


ふと過ぎるおよそ数年前のこと。
あの頃の亜希子は、歌謡界では名が売れている歌手だった。
それは都内の或る大きな劇場だったが、
そのステージで何度かワンマンショーを開いたことがある。

ファンから花束をもらい笑顔を振りまきながら歌ったあの頃、
豊満な肉体をドレスに包んでステージに立ち、
よく通る美しい声で歌えば観客は万雷の拍手をしてくれた。

その頃のテレビの歌謡ショーにも何度も出たことがある。
だが、その絶頂期は長くは続かず、気が付けば転げ落ちるまでの時間は早かった。

しかし、今、彼女はこのクラブで、後で自分が死ぬほどに辱めを受け、
性奴隷としてどこまでも堕ちていく運命に晒されていた。

山城は上機嫌で手を叩いている、
もちろん男の客達もその意味をわかっているのだ。
はっきり言えば、落ちぶれた歌手の亜希子の歌などどうでもよかったのだ。
その後のセレモニーを期待しているからである。
このクラブにはその為に集まった男達の熱気で盛り上がっていた。

八嶋亜希子はもう若くはなく、歌手としてのピークは既に終わっていて、
一時にはファンを痺れさせたハスキーな甘い声も今は張りもなく色褪せていた。
しかも腹も出て少し太り気味になり、
美しかった顔も少し皺が気になり化粧で隠してはいたが、
その豊満な肉体だけは健在だった。

いつしか彼女のファンは離れていき、
亜希子に代わる若く新しい歌い手の台頭に亜希子の人気は奪われていった。

今では、テレビに出ることはほとんどなく、
寂れた地方のクラブやスナック、キャバレーなどのステージで食いつないでいた。
それは途中から代わったマネージャーの折山の努力があったことは否めない。

人気が衰えた亜希子はいつしか折山と性的関係になったが、
折山がマネージャーを引き受けたのは亜希子が好みの女であり、
亜希子のその肉体が目的だったからだ。
落ちぶれてどこからも声が掛からない亜希子には歌以外に特技があるわけでなく、
やり手の彼に頼らざるを得なかったからだ。

今の時代では、何でもこなす若い歌手に人気が集まり、
そうでない歌手は、命でもある声や歌唱に秀でたものがなけければ忘れられていく。
まさに今の亜希子がそうだった。

一昔前の歌手としての人気のあった亜希子を、
今は誰も手を差し出す興業主はいない。

この世界では貪欲に、
しかも自ら身体を張ってでも生きていく強さがなければ生きられない。

亜希子にはその貪欲さがなかった。
ただ流れるままに生きていた。




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