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最後の、最高の学園祭
【学園物 官能小説】

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初めての夜に向けて 愛依の欲求-1

「将暉、くん。」
「だからさ、さっき、呼び方、決めただろ?」
「あ、そっか。ねえ、勃起ー。」
「お前さあ、そこ、漢字使うか?」
「あ、すまん。つい、教養が。」
「まあ、音としては同じだけどな。見た目が違いすぎる。」
「悪かった。ボッキー。」
「なんだよ、愛依。」
「ボッキー。」
「だから何だよ。」
「へへ。いいなあ。」
「何がだよ?」
「菅田君、とか、将暉君、とかじゃなくて、わたしだけが呼ぶ呼び方だ。」
「ああ、確かに。オレのことをボッキーって呼ぶのは愛依だけだ。」
「つまり、ボッキーは、わたしのものだ。」
愛依は珍しく満面の笑みを浮かべた。

「愛依。さっきはキスまでで寝ちまって悪かったな。」
「いや、わたしもそのあと、ぐっすり眠った。おかげで疲れが取れた。もう大丈夫だ。」
「そっか。そりゃあよかった。」
「でも、大事な時間を使ってしまった。残り時間もあと4時間弱だ。急がないと。」
「何を急ぐんだよ。」
「今までの時間を取り戻さなきゃいけない。」
「時間を取り戻す?」
「そう。今までずっと、わたしは男性不信だった。男を避けてきた。
 男は獣だ、悪魔だ、ずっとそう思ってきた。」
「まあ、愛依の最初の男たちは確かにそうだな。」
「でも、ボッキーや、旬や、倫也や、3Cのみんなのおかげで、
 わたしは、男の中にも、優しい人間がいることを知った。」
「…………。」
「もったいない。」
「もったいない?」
「そう。もったいない。そんな優しい男の人もいるのに、男を避けてきた。」
「…………。」
「やりたかったこと、できたはずのことを、ずっと避けてきた。もったいない。」
「愛依。大丈夫か?目が怖いぞ。」
「ボッキー。」
「な、なんだよ。」
「協力してくれ。」
「な、何をだよ、いきなり。」
「中2のあの時から今日までの時間を取り戻す。」
「それはさっきも聞いたさ。でも、慌てることもないだろ?」
「いや、もったいない。ボッキー。
 思い返せば、わたしの周りにも優しい男の人はいたかもしれない。
 中3の春、学校に行かないわたしを訪ねてきた男の子はイケメンだった。
 そのあとずっと、毎日ノートを届けてくれた。
 夏休みに入る前に海に行こうと誘ってきた3人組は、ジャニーズのようだった。
 夏休みに図書館で声をかけてきた高校生は真面目そうで頭もよさそうやった。
 夏休みの終わりに野球部のエースに告白されたけど、
 その子のことを好きな子がわたしの同じクラスにいたから断った。
 秋には……。」
「愛依。わかったよ。お前、結構可愛いもんな。」
「いや、まだまだこんなもんじゃない。」
「わかった。もういいから。で、どうしたいんだよ。」

「ボッキー。抱いてくれ。」
「はい〜?いきなり何なんだよ。」
「いきなりでもお稲荷でも鈴なりでも、なんでもいい。とにかく抱いてくれ。」
「ほんと、お前、時々わけのわかんないこと、言うよな。」
「わたしにはもう時間がない。」
「なんだって?お前、病気でもしてるのか?」
「そうじゃない。ボッキーと一緒にいられるのはあと4時間弱、
 あ、さっきから10分以上たっとる。」
「お前さあ、訛りが出てるぞ。」
「あ〜、やってまった。」

「お前って、ほんと、面白いよな。おれ、やっぱり好きだぜ。」」
「それはわたしも同じだ。あ、言ってまった。」
「ところでそれってどこの言葉?」
「岐阜弁、丸出しや。それより、ボッキー。勃起、してるか?」
「い、いきなりそう来るか。」
「勃起、してないなら、させてやる。」

愛依はそう言うといきなり将暉の股間に手を伸ばし、ズボンを脱がしにかかった。
「なに、マダハイトル。」
「何言ってるんだか、わからないぞ。」
「ドレスコードはO。なんでズボンなんかはいとる!」
「愛依だって、服、着てるじゃないか。」
「だから、今すぐ、脱ぐから。ボッキーも。」
「わかったよ。」
将暉は愛依の勢いに負けて着ているものを一気に脱いだ。

「キャーッ(≧∇≦)」
「脱げって言ったのはお前だろ?」
「いや、いい身体、してるなと思って。」
「愛依。お前も早く脱げよ。」
「恥ずかしい。あっち、向いてて。」
「何言ってんだよ、今更。ほら。」

将暉は愛依の服に手をかけた。
「優しく。破れないように。」
「破くわけないだ……ないだろ、愛依。」
「優しく、脱がせて。ボッキー。」
「わかったよ。こっち、向きな。」

将暉は愛依のブラウスのボタンを一つずつ、丁寧に外した。
愛依は顔を真っ赤にして下を向いている。
「愛依。顔を上げろ。誰が脱がしているか、ちゃんと見とけ。」
「えっ?」
「どんな男がどんな顔して脱がしているのか、ちゃんと見とけって言ってるんだよ。」
「あ、はい。そう、だよね。ボッキー、が、脱がしてくれてるんだよね。」
愛依はゆっくりと顔を上げた。
愛依の瞼がかすかに震えている。

「怖いのか?」
「ううん。ボッキーだ。わたしだけのボッキーだ。優しすぎて怖いくらいだ。」
「さ、後ろ向いて。」
「後ろ?後ろから襲うつもりか?」
「お前、やっぱ、バカか?ブラを外すんだよ。」
「ブラ?外す?なんで?」
「愛依。またそのまま寝るか?」
「あ、いや、ボッキーに抱いてもらう。取り戻す。」
「だったら後ろを向け。ほら、外すぞ。」
「了解いたした。」

愛依はロボットのようにぎこちなく動き、将暉に背を向けた。
「ほら、こっち、向いて。」

愛依は両手で胸を抱きかかえるようにしたまま、ゆっくりと将暉の方へ向き直った。
「手をどけて。」
「何かするつもりだろ!」
「愛依。」
将暉は愛依のおでこに軽くキスをした。
「オレの愛依。さ、見せてくれ。」


愛依はゆっくりと両腕を開いた。 


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