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女体特盛り
【フェチ/マニア 官能小説】

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女体特盛り-5

「どうだった? また気が向いたら来な。」
「ありがとうございます。」
 店長は、手渡しで一万円札を五十枚もくれた。
 一週間ぶりの街は相変わらず人通りが多かった。けれど、街を歩く人々を見て、あたしは
「みんな、本当はいろいろ大変なんだな。」
 そう思った。
「被災地支援のため、ご協力をお願いします!」
 街頭募金の呼びかけだ。
 あたしは、貰った五十万円を、丸ごと募金にやってしまった。すっきりした。早くうちに帰って、家族に会いたいと思った。
「平沢!」
 苗字を呼ばれて、あたしは立ち止まった。同じクラスの望月君だった。ひ弱で大人しい男子だが、彼には無視された記憶がない。
「なに?」
「俺、平沢のことが好きなんだ。よかったら付き合って!」
 あたしは一瞬、何を言われたのか分からず、
「あたしを食べたい?」
 馬鹿なことを言ってしまった。望月君は、しかし
「た、食べたい! 全部食べたい! 変態だろ?」
 絞り出すように言った。あたしは悲しくなった。
「あたしも付き合いたい。あたしも望月君、食べてみたい。」

 つまらない日常に色が加わった。毎日が楽しみになり、あたしは世の中を知りたくて、勉強ももっとしたくなった。
 家族から、あたしは変わったと言われた。友達も次第に増えていった。あたしには、世界が変わったように思えるのだけれど、つまらないあたしも、不機嫌なあたしも、あの二人の男性が食べてしまったのだと分かった。
 望月君をどう料理してあげようか、レシピを考えるのがあたしの日々の楽しみになった。
「精子に合う味、何だろう?」


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