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恋心
【学園物 恋愛小説】

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恋心 第六章-2

その後、彼と会うことは2度となかった。
2週間後、1つの小包が家に届いた。中にはあの時のビデオが…。ビデオは店頭にも並んだ。
それを見る度になんて愚かだったのだろうかと、自分を責めた。





夏休みが終わり、久しぶりに学校に行った。その日、私が一番恐れていたことが…。
担任にあのビデオのことがバレていたのだ。

「オレの言うことを聞かなければあのことを職員会議に出すぞ」

言うとおりにするしかなかった。両親にはもちろん友達にも知られたくなかった。
私達の関係は卒業式の日まで続いた。




「男運がなかったんだよね。あんなことがあって男の人あんまり信じられなくなっちゃって…。」

友里は俯いている。
軽蔑されたかな…もう友達ではいられないか。
もうこんな時間帰らなきゃ。

「さくら…ごめんね。ホントは話したくなかったよね。思い出したくなかったよね。ゴメン…」
ずっと堪えていたのか、大粒の涙を流しながら泣き出した。

「友里…」

「私ね、あんなことがあったけど今は幸せなんだよ。この学校に入学して、友里に出会って親友になって、好きな陸上も続けられて、たくさんの仲間に出会えて。だからあのことは、男には十分気をつけなさいよっていう神様からの忠告だと思ってる。忘れようと思ってもなかなか忘れられないもん。だから無理して忘れようとは思わないし。友里がそんなに泣くことないんだよ」

「だって…」

「さっ早く帰ろう。聡くんが待ってるんじゃなかった?」
友里はこくりと頷いた。
「桜。本当のことはなしてくれてありがと。私も桜のこと親友だと思ってる。だいすきなのっ」
そう言って私に抱きついてきた。
「ありがとう。友里」





教室に戻ると、翔君と涼平君がいた。二人とも心配そうな顔をしている。友里は笑いながらあんな噂話ウソに決まってるじゃん、と言った。

「そうだよな!!」
涼平君はホッとしたように言った。
「じゃあ私さきに帰るね。ダーリンがまってるから♪」

「友里。ありがと」
友里が親友で本当によかった。心からそう思うよ。

「じゃあ俺らも帰りますか」


いつもように3人並んで帰る。翔君をはさんで左側に涼平君、右側に私。なぜかいつも同じ立ち位置。もう何年も3人で歩いてるような感覚ですごく安心できる。こんな関係がずっと続いてほしい…心の中でそう願った。


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