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恋心
【学園物 恋愛小説】

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恋心 第一章-1

第一章

私の名前は立川桜(さくら)17歳。高校2年。毎日平凡な日々を過ごしている。幼い頃から近所の人に可愛がられ、大人になったら美人さんになるわね、なんていつも言われていた。高校生になった時、近所のおばさんが言った通り、美人さん(?)って言うほどではないと自分は思っているけど、おばさんに言わせてみれば"美人さん"になっていた。友達や先輩にも可愛がられ、私のことをスキだっていう男子の噂もよく耳にした。
そう、事件は1週間前のこと…。
その日最後の授業が終わった。
「お疲れ〜。また明日ね〜。」
友達に手を振って教室を出た。一人で廊下を歩いていると後ろから
「桜ちゃん!!バイバイ!」
翔君だ。そうこの人こそ、私の片思いの相手。名前は佐々木翔。ドキドキしながら笑顔で手を振った。うまく笑えてたかな…なんて考えて靴を履き替える。
「桜ちゃん!」
どっかで聞いたことのある声がした。振向くとそこにはとなりのクラスの相川君が顔を強張らせていた。
「どうしたの?」と聞くと、
「ちょっとこっち来て。」
私の腕をつかみグイグイ引っ張って歩き出した。
「ねぇ、ちょっとドコ行くの?…ねぇってば!」
いくら言っても聞く耳をもたない。あっという間に校舎裏に着いてしまった。
「あっ、あの…桜ちゃんのこと、スキなんだ。付き合ってください!!」
バカみたい。一言も話したことないのに…。人を見た目だけで判断するような人、大嫌い。私のこと何も知らないくせに。もちろん答えはNOだった。
「私…。」
「あっ、ごめん。急にこんなこと言って。でも本気なんだ。ちゃんと考えて答えだして欲しい。だから、1週間後にまたここで待ってる。その時返事聞かせて。じゃあ…。」同じ陸上部の彼はあっという間に走り去っていった。
「はぁ…。」
めんどくさい。1週間経っても答えは同じなのに。



「失礼しまーす」
部室に入ると同じクラスの友里と、美霞子先輩がいた。
「桜、早く着替えてグランド行こっ。」
友里に急かされて着替える。後ろから美霞子先輩が囁いた。
「桜。相変わらずモテる女は辛いわねぇ。まぁ、適当に頑張りな!!」
少し男勝りな美霞子先輩は、どうやら一部始終を見ていたらしい。
「先輩っ!」
声をかけようとすると、さっさと部室を出ていってしまった。友里が不思議そうな目で私を見ている。

「………っていうわけなのよ」
私は柔軟体操をしながら友里にさっきのことを話した。
「へぇ、あの相川君がねぇ。」
二人の視線の先にはグランドを走る相川君がいた。長距離ランナーの彼はそんなに速いほうではないけれど、とても綺麗なフォームで走っていた。ほっそりとした体格のわりにちゃんと筋肉がついていて、身長も高いほう。
「悪くないんじゃない?私何度か話した事あるけど、なかなかいい人だよ?それに…」友里が途中で言いかけて、目で合図をする。視線の先には後輩の多恵がいる。山之内多恵。1年生。この学校の女子で彼女を知らない人はいないだろう。一際派手な髪型と、派手な化粧と、大胆に着崩した制服を着ているため、生活指導の先生はもちろん、先輩にも目をつけられている。

「多恵がどうかしたの?」
「あの子、相川君のことスキらしいよ。友達に聞いたんだけど、休み時間とかしょっちゅう会いに行ってるらしいし。」
ふぅーん。


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