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母子相姦のある風景
【母子相姦 官能小説】

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児童公園-1

 その日は冷え込んだ静かな朝だった。
玄関を開けると、寒さが肌を突き刺してくるように軽く痛みを覚える。
漂う冷気で景色も靄がかかったように白く濁って見えた。
家のすぐ前の通りを誰かが通っても目を凝らさないと分からないかもしれない。
路面も鉄のように凍り付いてて普段よりも靴底に硬さを感じる気がした。
そのまま外に出ようとした時に庭に置かれたままのバケツが目に入った。
水面の表面が軽く固まって輝いている。
氷点下か。

「うー、寒」
白い息を吐きながら呟いて、門扉に触れると冷え切った鉄の感触に一瞬指先の感覚を失う。
そのままゆっくりと小さな歩幅で路上を歩きだした。

 春はあけぼの、夏は夜。
秋が夕方なら冬は…何だっけ?
「つとめて、よ」
隣を歩く母がこちらを見ないで言った。
「つとめてって?」
「早朝。習ったでしょう」
少し目が赤く、唇も渇いているのか小さく舌で潤していた。
温かそうな赤いニットキャップから覗く耳たぶは真っ赤になっている。
 そっか。
季節にはそれぞれ相応しい時間帯というものがあって、その情緒を描写したのが枕草子のその一文なんだ、という。
本来あんまり喋る方ではないけれど、こういう話をする時だけ母は昔から少しだけ饒舌になる。
彼女は中学で国語教師をしているからかもしれないし、昔は文学少女だったからかもしれない。
俺には文学の趣味は遺伝しなかったので、その辺の機微はよく分からない。
ただこういう文学の話や季節の花の話、歴史の話が好きなのも昔から知っていた。

 家の近所に児童公園がある。
隣の雑居ビルに遮られて昼でも薄暗い物寂しい場所だ。
施設もブランコに砂場、ベンチくらいで本当に小さい。
見上げると枯れた木々が霜に包まれて真っ白に輝いている。

 幼い頃は母親に連れられてここの砂場で遊んでた事もあったらしいが、少なくとも覚えてない。
土筆も取れた事もあったらしいが、今はすっかり無い。
そういえば商店街のマスコットが入り口に並んでたような気もするけど、いつの間にか撤去されている。
昔と何も変わってないようで少しずつ変わっていくんだ。
町も公園も。
それと母と俺も。

 低いブランコに母は腰を下ろした。
付け根が錆びてて、乗っただけでキィと乾いた軋む音がする。
朝早いから迷惑になるので、足で踏ん張って揺れを止めた。
何も喋らない。
俺はその近くで所在なく立って、隣の6階建ての雑居ビルの側面を見ていた。
雑居ビルの一階は店舗で学習塾や健康食品の販売を行っていた。
2階から上がマンションで、屋上には小さな給水塔が見える。
前にここに友達が住んでいて遊びに行った時に部屋が狭いと思った事を覚えてる。
それから一緒に屋上に上がったんだけどエレベーターが無くて大変だった。
今見ている限りは不思議と建物から人の気配を感じない。
そんなに古いビルじゃないはずだけど、鈍色のコンクリート色がやけに古臭くも思える。

 母は大学を出てから今もずっと中学校で国語教師をしてる。
昔は地元だったけど、何年か前に転任になって今は車で30分以上かかる近隣の町にある。
教師の仕事が合っているのかそれしかないのか、結婚してから俺を生む前後に産休を取った以外は休みなく勤めている。
 子供の頃は気にならなかったけど、多分あんまり生徒に慕われるタチじゃないとは思う。
授業の事以外は決して話好きでなく、社交的でもない。
細くて貧相な体つきだし、顔つきもどことなくいつも不機嫌で神経質そうに見える。
息子から見ても何となくいつも眉間にちょっと皺が入っている印象を受けるくらいだ。
上手く言えないけれど。
 話してもつっけんどんな言い方だからか怒っているのかと聞かれる事もあるらしい。
教師らしいといえばそうかもしれないけれど、生徒は多分親しみを覚えないタイプだ。
とっつきにくいだけで中身は割とまともな方だと思うんだけど。
ちょっと気難しい文学少女のなれの果てはこうなるって事なのかも、とも思う。
生き方が不器用でそのくせ変なこだわりが強くて。
だから父の結婚生活も上手くいかなくなったんじゃないかな。
離婚の原因は聞いた事はないけれど。
今までも、多分これからも。

 昨夜、母と初めてセックスをした。
珍しく同僚と飲みに行ってきたと言って酔って帰ってきた母に俺から迫って、それで。
何でかは分からない。
本当分からないんだよ。
彼女だっていたし、ついこないだ母に紹介したばっかだったし。
だいたい全然そんな色気のある母じゃなかったし。
俺にもそういう願望だって今まで全く無かったし。



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