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[有害図書]
【鬼畜 官能小説】

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[有害図書・前編]-4

「うるっさいわね。いま出るわよ」


いったい何時から妹の存在をウザったく感じるようになったのだろう?
いや、妹だけでなく母親や父親も、何故か目障りで邪魔くさく思えてしまっている。


(……ったく、もう……)


愛はブツクサ言いながら髪を拭いて着替え、「上がったよ」の一言も無しに自分の部屋に戻る。
小さな化粧台に向かいながらドライヤーで髪を乾かし、桜色に染まった頬を右に左に向けてはフフッと笑った。


(今日は何を書こうかな?「デート楽しかった
」と「キス……」は…どうしよう?)


尚人と愛は交換日記のやり取りをしていた。
毎日なにがあったのか?何を思い、何を感じたのか……を赤裸々に綴り合っていた。

まだケータイが出始めた頃である。
中学生の二人が所有しているはずもなく、今で言うメールかLINEのように、互いの日記を読んで気持ちを確かめあっていたのだった。

通学カバンから取り出した日記帳を机の上に置き、シャーペンを手にしてパラパラと捲る。
思わず綻ぶその表情は、だれの目にも《美少女》として映るはずだ……。




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翌日、慌ただしい一週間が始まった。
愛は朝食もそこそこに髪を洗い、毛羽立ちが残らないよう入念にブラッシングする。
奮発して買ったコンディショナーは効果抜群で、黒髪は艶々と輝いて光の輪を作り出す。


「よし!」


衣替えの季節、愛は紺色のインナーの上に冬服の黒いセーラー服を羽織り、胸元のファスナーを閉めた。
襟と袖口の白いラインが黒に映え、真っ赤なスカーフがモノクロの制服に彩りを添える。

寝不足になりながら書いた日記帳を通学カバンにそっと仕舞うと、階段を駆け下りて玄関から飛び出した。


(尚人さんに会える……!)



愛は最近見つけた近道に入った。
そこは学校指定の通学路から外れた裏道だが、約五分ほどの時間短縮になるからと利用していた。

今日はかなり冷え込んでおり、大きめな襟口から入り込んでくる風はインナーをも冷えさせる。
膝を隠す長さに指定されているスカートと、黒いストッキングに覆われた脚も同様である。






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