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痴漢専用車両へようこそ
【痴漢/痴女 官能小説】

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お別れのとき-3

「やだあ、美咲ちゃんたら、そんな風におっぱい触られたらコチョバイよ」

「だって、ママみたいに大きいんだもん」

美咲は優子の胸に顔を埋めた。

「うふふ、まあいいか」

楽しそうにつぶやいた優子は、ふと自分に視線が集まっていることに気づいた。そして、その中の1人と視線を重ねた。

「美咲ちゃん、ちょっと待っててね。お姉ちゃん、もう1人抱き締めないといけない人が居るの」

「いいよ。そのかわり、あとであたしもいっぱいだきしめてね」

無垢な美咲が優子の目を真っ直ぐに見つめた。

「ええ、いっぱいいっぱい抱き締めちゃうよ」

幸福感を噛み締めながら優子は立ち上がり、改めて【痴漢専用車両】を見渡した。プレイヤー達が笑顔で注目していた。

(みなさんが参加してくれたお陰です。本当にありがとうございました)

自分拉致した浅見と啓太、そして見知らぬ白人が床で気を失っていた。

(こいつらはあとで蹴りを入れとかないとね)

全裸のターゲットの3人は身を寄せながら涙を流して震えていた。

(少しは反省したのかな)

顔を腫らした乾と吉田を初め、後頭部と足をさする田川が居た。

(そんな姿になるまで、闘ってくれてありがとうございました)

それに混じって、なぜか乗車駅に居るはずの宮本の姿もあった。どうやらバイクで追っかけて来て、無理やり乗り込んだらしい。それにダメージの少なかった啓太を阻止してくれたみたいだ。

(ホント、手島さんの仲間はムチャなんだから)

悠子と重なっていた時の能力の残滓なのか、なんとなくそれがわかった。

プレイヤー達の温かい視線の中で、雄一がいつもの軽薄そうな笑みを浮かべていた。

(うふふ、手島さんのその笑顔も照れの裏返しなのね)

由香里と寛子が楽しそうに手を振り、陽子が微笑んでいた。

(いつも冷静な由香里先生。今回もありがとうございました。寛子さん。寛子さんのおっとりした雰囲気、いつも癒されてます。陽子さんは…別にいいや。お腹一杯だよ)

そして、優子が最後に視線を止めた先には、よろよろと立ち上がった星司が手を開いて、優子が飛び込むのを待っていた。

満面の笑みを浮かべて優子が駆け寄ろうとした時だった。

「ふざけやがって」

一瞬たりとも自分に視線を向けなかった優子に憤りを覚える者がいた。余りにも不甲斐ない仲間に対する怒りもそれを増長させていた。

満身創痍の星司はそれに気づけなかった。

浅見から手渡された飛び出しナイフをポケットから出すと、優子の元彼は怒りのまま優子に向かって襲いかかった。優子の目にそれはスローモーションのように映っていた。しかし、それを避けることも叶わず、それどころか驚いた身体は咄嗟に反応しなかった。

ドン!

「きゃ―――っ」

「こんなことって…」

胸に衝撃を受けた優子は、陽子の悲鳴を聞きながら真っ黒な世界に堕ちていった。

優子の脳裏に今までの人生が走馬灯のように流れた。



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