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14's CHOCOLATE
【コメディ 恋愛小説】

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Relaxation's CHOCOLATE-3

「哲希に化けた宇宙人黄門様の夢見て寝坊して、焦って階段から落ちて、自転車パンクしてたから走ってきて、石踏んで足捻って、たくさんの猫に飛び付かれて服破けて、魚屋の前で水まきに巻き込まれたの」
哲希はびっくりしたように口を開けていたので
「あ、コレ魚屋のおっちゃんに貰ったんだよ」
と、塩焼きをつっこんだ。
「ぅおっふ…まじか?」
「まじだ!!」
アタシは塩焼きにかぶりついた。ああ〜ん、おいしい。
「そこまでしなくても良かったのに…」
哲希も塩焼きを食べはじめた。
「んー?どういうこと?」
「そんなになってまで来なくても良かったのに…」
塩焼きをいっぱい口に詰めて語尾の方は聞き取り辛かった。
「アタシね、引き替えそうなんて思わなかった。絶対何があっても哲希に会いたかったんだもん。そんなこと言わないでよ」
アタシがそう言うと、哲希は罰が悪そうに塩焼きに目を落とした。そして、無言で塩焼きを頬張る。
「アタシ相当強くなったよ!ちょっとやそっとじゃヘコたれないっ」
アタシは塩焼きを食べきる。丁度哲希も食べ終わったようだ。
「だろうなっ」
哲希はうーんっと伸びるとそのまま芝生の上に大の字になった。
「コノも来いよ、めっちゃ気持ちいいぞ!」
ニヤッと笑う哲希。
「疲れただろ?今日は息抜きだっつったじゃん」
アタシも哲希に習って仰向けに寝て、手足を大きく開いた。
真っ白い雲がゆっくり流れていく。大きな入道雲がアタシたちを見下ろしていた。視界に入ってくるのは、側にある大きな木の緑と空の青と雲の白。体を少し持ち上げて辺りを見渡すと、家族でお弁当食べてたり、日向ぼっこしてたり…皆が思い思いのことをして、今を有意義に過ごしている。すぐ隣には、気持ち良さそうに目を閉じる哲希がいて…。ああ、落ち着くなぁ。昨日、あんなに自棄になって机に向かってたのが嘘みたい。アタシはもう一度空に目を移す。
「気持ちいい」
哲希がボソッと呟いた。
「うん」
「同じ学校行けたらいいな…」
「うん」
「頑張ろうな」
「うん」
アタシは目を閉じた。

哲希は厄日だって言ったけど、アタシはそうは思わない。だって、アタシ今かなりリラックスしてんだもん。昨日までイラついてたのに…。全部哲希のおかげだよ、ありがとう。
よし、また明日から頑張ろっと!!自分の夢に向かって…。


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