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14's CHOCOLATE
【コメディ 恋愛小説】

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Relaxation's CHOCOLATE-2

アタシは車庫に走って自転車を出し、またがり、漕いだ。すると、前輪に違和感有りです。見ると前輪がキレイにペッタンコ。さらに良く見るとキラッと何かが光った。自転車を降りてそれに顔を近付ける。ぅわぁぉ!画鋲です。画鋲がブッスリ刺さっています。明らかにパンクです。こいつはもう使い物にならないので、アタシは車庫に自転車を戻し、公園まで走って行くことにした。
徒歩なら20分、走れば15分、まだイケる!
アタシは小走りをして、右に曲がる。普通足元なんて見ないじゃん?だからでしょうね、アタシが大きな石をもろに踏んでしまったのは…。
「んにゃあっ!!」
グッキィってなりました。右足グッキィ!アタシはその場にへたりこんで、右足首を撫でる。まだ腫れてはいないものの、完璧に火照っている。
「家出てまだ2分しか経ってないのに…!」
こんな所でヘバるコノ子じゃなーい!!アタシは右足を引きずりながら、なるべく早くまた歩きだした。

よし、とうとう半分まで来た。この商店街を抜けるともう数分だ。道行く人たちは不思議そうにアタシを見る。でしょうね。服はズタボロ、足引きずって歩く女がいれば…。服はね、さっきたっくさん猫が飛び付いてきたの。そんで、爪立てて落ちないように必死でアタシにしがみ付いていたのだろう。レースのスカート、黒いタイトなΤシャツ、ビリビリっすよ!!スカートなんてスリット入りまくりだよ!!…アタシ、金魚の匂いでもしたのだろうか…?魚繋がりで、アタシはもうすぐお魚屋さんの前を通過するところだ。イヤな予感がする…。コントとか漫画とかで良く見る光景だけど、イヤさすがに今日はまさか…。
「…ぅぎゃ!」
「姉ちゃんっ、大丈夫かっ!?」
事実は小説より稀なり…。来たよ、水まき…この暑さじゃ水まきもするだろうけどさぁ。こんだけタイミングピッタリじゃなくてもいいじゃん!!アタシは頭から爪先までビショビショになった。
「…おっちゃん、わかってたから心の準備はできてたよ」
「悪いな…姉ちゃんに水ブッかけるの何度目だろうなぁ…」
「もう慣れちゃった。今日は暑いし、丁度良かったって思うようにするから」
「申し訳ねえな…。ホラ、お詫びだ」
そう言っておっちゃんはいつも鮎の塩焼きをくれる。
「ありがとっ。実は、これから人と会うんだけど…」
「よしっわかった。もう一本持ってけぃっ!」
「本当ありがとう!じゃあアタシ急ぐから」
両手に鮎を持ち、アタシは商店街を抜けた。

もうすぐ…もうすぐ、哲希に会える!この道を真直ぐ行けば、哲希がいる!
「てぇつきぃ〜…てぇつきぃ〜…てぇつきぃ〜…」
哲希に会うの!そのために今までの困難乗り越えてきたんだから!
ふと向こうから誰かが走ってくるのが見える。その人影は一瞬立ち止まって、すごい勢いでアタシに駆け寄ってくる。
「コノっ!何があったんだよ!」
「てっ…哲希ぃ〜!」
アタシは哲希にもたれ掛かった。
「足痛いよ〜…」
「めちゃめちゃ腫れてんじゃん!負ぶされ」
「う、うん…」
哲希はしゃがみアタシは哲希の広い背中に乗っかった。嬉しいとか恥ずかしいとか全く思わなかった…。ただ、痛い…。

「ふぃ〜、ありがとう」
哲希は日陰のある芝生にアタシを座らせた後、すぐ近くにあるコンビニで湿布と包帯を買ってきてくれた。哲希は、サッカーで怪我したら自分でするんだ、と言って腫れた足首をテーピングで固定した。
「まず何があったんだよ?」
哲希はアタシの隣に座るとすかさず聞いてくる。
「何が…?何だろう…。順を追って話すと…」
ごくんと哲希が唾を飲む。


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