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紅館の花達
【ファンタジー 官能小説】

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紅館の花達〜蒼猫花〜-5

自分でもこんなこと不毛だと分かっている。 こんなことをしても、女同士でした時の方がまだ楽しめるだろうに。 そう思うのだが。
『………』
ゼロは来たときと同じく、音もなく部屋に戻っていった。

部屋に戻りベットに入った。
目を閉じて眠ろうとする。 明日も早起きだからだ。
『どこ行ってたの?』
そんな時スーが話しかけてきた。 寝ていると思っていたのだが、紅館での初めての夜。
やはり眠れなかったのだろう。
『ちょ、ちょっと夜風に当たってきたんだよ♪』
ハハハと笑い、誤魔化す。
『………子供は早く寝ないといけないんだよ………』
ニャフ………
ゼロは力が抜けてしまった。
(そりゃあね、ゼロゼロは小さいけど………)
『ゼロゼロは今年で19歳だよ。』
『………嘘ついちゃ駄目でしょ………』
眠そうな声で返事を返すスー。
まるで信じてくれない。
『子供じゃないんだってば〜〜〜!』
『………ん〜〜………』
寝てしまったのか、それきりスーから返事は返ってこなかった。
ゼロは改めて自分の体を観察してみる。
ペタンコな胸、くびれることなく直結しているお腹、まだ毛もはえない秘所。
『………む〜〜〜』
ゼロは、ちょっと大人になりたいと思った。
このままでは信じてもらえない。
ベットの中で色々と計画を練りながらゼロは眠りについた。



翌朝の五時。
コチコチと時計が秒を刻んでいる。
そして、時計が五時を刻んだ瞬間。
『とぉ!』
ズバァっと布団を払い除けてゼロは宙高く飛び上がった。
途中、クルクルと綺麗に回転をしてクローゼットの前に着地。
『ん〜、9,24点!
ゼロゼロ絶好調〜〜♪』
ワーイと一人朝早くから盛り上がり、メイド服を取り出す。
『ん〜ん………なぁに? どうしたのよ?』
ちょっと(?)うるさくしすぎたようで、スーを起こしてしまったようだ。
『………げっ! まだ五時じゃない………もうちょっと寝ようよ………』
眠たそうに目を擦り、時計を指差すスー。 どうやら朝は苦手なようだ。
『スーちゃんはまだ寝てても良いよ♪
ゼロゼロは早めに働いて、早めに終えるの♪』
朝が辛いなんて言葉がまったく当てはまらないゼロはすでにメイド服に着替え終わっていた。
『………わかったわよ、起きる。』
ズルズルとベットから這い出てくるスー。 長い黒髪がだらりと垂れ下がり………怖い。
それから数分後、メイド服に着替えた二人が部屋を出てきた。
『最初は何するの?』
『今朝は、ご主人たまの部屋の前のお掃除だね。』
近くの倉庫から雑巾と箒を取りだして白竜館に向かう。
まだ他のメイド達は起きていない水竜館は静かだ。
だが、火竜館を通ると何やら音が聴こえてきた。
それは食堂から。
料理長のフィルを始め、他のコック達はもう朝食の準備にかかっている。
『フィルさんおはよ〜♪』
ゼロは食堂の入り口から挨拶をする。 すると姿は見えないが、食堂の奥から返事が返ってきた。


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