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俺は他人棒
【熟女/人妻 官能小説】

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立花文恵(34)-2

「ノーコメントですっ!」
 誤魔化して、皿に残っていた枝豆をついばむ文恵。
「フェラは普通にしてるみたいね」
「うん、それも嫌いじゃないっぽい」
 祐美と茜はニヤニヤして茶々を入れた。こういうときは、女のほうがタチが悪い。
「俺が文恵さんの旦那だったら、全身舐めまくるけどな〜」
 俺は声を落とし、具体的に情景が浮かぶよう描写してやった。
「キス好きだから、その唇味わい尽くすくらいにチュッチュして……もちろん舌も絡めて濃〜いディープなのも。それから首筋とかも感じるでしょ? しつこいからね俺のペッティング。他んとこ疼いても、なかなか一箇所から動かないよ。それから肩とか、鎖骨のあたりなんかもねっとり舐めて……お次は腋かな」
「えーっ、腋舐めるの!?」
 祐美が眉をひそめた。
「ヤダぁ、変態っぽい。腋とか絶対くすぐったいよね」
「祐美さん舐められたことないの?」
 腋ペロとかセックスで絶対する行為の一つだろ、と思っている俺は、意外すぎるという顔で言った。
「ないわよ。今までの人生で一回も」
 すると茜が、
「うちの旦那も舐めるけど」
 と乗ってきた。
 祐美と茜の間で姦しく論議(?)が始まった。
 その間に俺は、文恵の隣席へと滑り込む。
「文恵さんは、どう? 旦那さん、どんなとこ舐めてきます?」
 夫婦の閨事情を露骨に尋ねる俺に、文恵が示す態度は、明らかな拒絶反応ではなかった。しきりと恥じらい、もじもじして言い淀む。
 アルコールが入り、ちょっとエッチなムードが充満した中で、秘め事を喋ってしまいたいのだけどもう一歩のところで理性がストップをかけている。そんな状態を解きほぐすには、俺というやや強引な外圧の助けがあればいい。
「別に恥ずかしがることなんかないですって。セックスなんて、誰でも当たり前にやってること──むしろやらないのが変なことなんだし、他の男の人がどんなやり方でするか聞くのって、勉強にもなるんで」
 質問の目的が文恵に関してでなく、その旦那にあるかのように印象をすり替えるレトリック。
 語るにあたって抵抗を緩和させるための詭弁に過ぎないのは勿論である。俺が聞きたいのは文恵がどこをどうされて、アヘアヘよがりまくるかということなのだ。
 誘い水につられて、文恵は小さな声で、夫婦の性事情を明かしてくれた。
 聞きながら、頭の中でめまぐるしく計算を働かせる俺だ。
 ──この人妻はヤレそうかどうか? 貞操観念は? 欲求不満度合いは?
 文恵のところは実際かなりラブラブな関係らしく、子作りは考えるものの互いにまだ踏ん切りがつかないところのようで、純粋に楽しみのためのセックスとして、週に二度、三度は身体を重ねるという。結婚して長い日本の夫婦にしては多いほうだろう。
 史恵に性的なフラストレーションは少なそうと俺は判断した。
 結婚まで処女で、夫以外の男性は知らないらしい。冗談を多分に交えたトークでつまびらかに聞き出した営み模様を聞くぶんには、割と単調なペッティングからなる前戯や正常位、バック、騎乗位といった数パターンの定形じみた行為で満足しているセックスライフが浮かび上がった。


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