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愉楽
【SM 官能小説】

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愉楽-7

瑞々しい色あいの純潔が一瞬、光を放ったようでした。爽やかな艶に照り輝き、肉幹も亀頭も
薄桃色に染められ、堅くも柔らかくもなく、太くも細くもなく、ぐっすりと眠ったタクヤさん
の白い裸体に溶け込んだように華麗な弓なりの孤を描いていました。

胸の動悸が高まってきたわたくしは、恐る恐る掌で彼のものを包み込みました。
弾力のある純潔は、わたくしの手の中で喘ぐように蠢き、微熱を含み、まどろみながら蒼みに
溶けていくようでした。わたくしは彼のものの表皮をゆっくりと指でなぞりながら、根元の
垂れた袋を包み込むように掌を添えました。指のあいだに丸いものがぷっくりと押し出された
かと思うと、まるでわたくしから隠れるように指のあいだから可憐にすり抜けていくのです。

忘れていたわたくしの中の肉欲が、少しずつ充たされていくようでございました。愛おしいも
のに触れながら、しだいに火照るからだとともに、自分の乳首のふくらみや陰部に潤みを感じ、
肉の渇きがひたひたとに水に浸されるようでした。かさかさに乾いた陰部の中の鱗がゆっくり
と溶けだす快感がタクヤさんの瑞々しい肉幹によってもたらされたわたくしは、自分の欲求を
抑えることができず、思わず彼のものを唇に含みました。欲しくて欲しくてたまらなかったも
のが、わたくしの口の中に拡がり、舌の上で転がり、戯れ、唾液とともに溶けていきそうでし
た。それでもタクヤさんは眠りから覚めることなく、まるで心地よい夢でも見ているように微
かな笑みさえ浮かべていたのです。わたくしは我も忘れて、生まれて初めて口に含んだものを
夢中で舐めしゃぶり続けました。



週末になり東京から家に戻った主人は、必ずわたくしへの《行為》を怠りません。わたくしの
貞操帯の鍵を解き、注意深く剥ぎ取った貞操帯の変化を探るように目を這わせ、鼻をたてて臭
いを嗅ぎ、しばらくするといつものようにわたくしのからだをまさぐり始めるのでした。わた
くしは、そのときの夫の、作為的で陰険な顔と、狡猾な蛇のように這ってくる指ほど、いやで
いやでたまらないものはありませんでした。

主人の淫靡な細い指は、わたくしの肌に触れたとたん、まるで醜い蜘蛛のようにふわりと肌に
ひろがり、小さく淫靡に蹲り、ふたたび蛇のように乳房の谷間に沿ってすべり降りながら下半
身へ続く腹部の窪みを這っていき、腿のあいだに分け入り、靡いた繊毛を指に絡め、微熱を
孕んだぬかるみの湿り具合を確かめるように陰唇の粘膜をつつき、残忍な刺激を与えてくるの
でございます。

混沌とした漆黒の暗闇に包まれた寝室の中で、わたくしの裸体だけが明るすぎる電灯に照らさ
れ、半分ほど開け放たれた障子の先には、坪庭を挟んでタクヤさんが寝ている離れの灯りが微
かに見えるのですが、それがまた夫の狡猾な意図のように思え、わたくしは静寂の中で、夫の
指に烈しく弄りまわされながら零れそうになる嗚咽を噛みしめなければなりませんでした。



まさか、あのような憧憬を目にするとは思いもしませんでした。あの夜、離れの浴室の木戸の
すき間から、主人とタクヤさんがいっしょにお風呂に入っているところをわたくしが覗いたと
きでした。

主人がタクヤさんに、たまにはいっしょに風呂に入らないかと言ったことを聞いたとき、わた
くしは何か自分の胸を締めつけられるよう不快な気持ちに襲われました。


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