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俺は他人棒
【熟女/人妻 官能小説】

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真壁宏美(41)-6

「うわぁ……夢みたいだ。テレビで見てときめいた人が、眼の前でこんな格好になってる……」
 張り込んでそこそこ名の通ったホテルの上階を取り、ビル街を見下ろす窓辺に宏美を立たせる俺だった。邪魔な衣類は取り去った下着姿である。
 まさかこうなることを予想していたのではなかろうが、四十代主婦にしてはけしからんセクシーなレースをたっぷり使った黒の下着だった。
「綺麗ですよ」
「あんまり見ないで……」
「いいじゃないですか、CMと同じって思えば。全国に下着姿晒してたんですから」
「ヤダぁ……そんな言い方、恥ずかしい……」
「白状しますけど、俺あのCMで抜きましたから。もしかすると他にも真壁さんオカズにしてる視聴者、いるかもしれませんよ?」
 宏美の脇腹に手を添え、引き寄せた。
 身長は百六十くらいか、キスをするにも程よい位置に、上気した美貌がある。だが、まだ唇には攻め込まず、耳元に息を吹きかけながら囁いた。
「何て呼ばれるのが好きですか?」
「えっ……!?」
 女性にとって耳は大抵、こうして間近に声を出されると弱い性感帯だ。
 くすぐったさと快感が襲い、一瞬びくんと身体を震わせて、宏美は聞き返した。
「エッチのとき、どう呼ばれると気持ちいいですか」
 また俺は囁き声を見舞った。
「あうぅ……ふぅん……!」
 色っぽい喘ぎだ。人並み以上に耳は弱いらしい。
「名前で……呼んで」
「宏美さん? それとも、ひ・ろ・み?」
 面白くなって、意地悪く至近距離ウィスパーを連発。宏美は俺にしがみついて、あんあんと可愛く悶えた。
「CMのときより、リバウンドしてない?」
 熱く体温を放つさらさらの腹肉を、俺は撫で回した。
「言わないでぇ……」
「でも、セクシーだ……こんな綺麗な奥さんがいるなんて、旦那さんが羨ましいな」
 ちろっ、と耳を舐める。ひときわ高い喘ぎが返ってきた。
「旦那さんとはよくエッチするの?」
「そんなんっ……全然……あぁんっ! 四十過ぎた夫婦なんて、一緒のベッドで寝てるだけよ……」
「したくなること、あるでしょう?」
「んんっ……あ、あるけど……みっともなくて……」
「自分から言い出せないの? 恥ずかしいことなんかないのに。むしろ性欲強くなるくらいじゃないの? 旦那さんいないとき、一人でしたりとか、するんじゃない?」
 優しく、しかし強く語気を込め、俺は言う。
 宏美の羞恥心に火をつけ、燃え上がらせる媚薬代わりの効果が狙いなのである。
 セックスは身体だけでするものではない。脳でも感じ、欲情を高まらせてこそ本当に気持ちいい行為となる。そんな持論のようなものが俺にはあって、いついかなるときでもそれを実践する。
 威張って言うことではないが、最低限のポリシーみたいなもんだ。
「ん……ふぅんっ……! そんなこと、しな……」
「してるんでしょ? オナニー。嘘つかなくていいよ。みっともないことなんかじゃないから」
「やだ、恥ずかしくて言えない……」
「ってことは、やっぱりしてるんだ。スケベだなぁ宏美は」
「やぁん……ほら、そうやって言うでしょ……」
「スケベでいいんだよ? それが普通なんだから。もっとスケベになって、気持ちよくなろう、ね?」
 陶然として虚ろな眼で俺を見上げる宏美の唇を、ここで奪う。
 耳たぶをこねくり回してやりながら、甘いフレンチキスに時間をかけた。唇同士が擦れ合い、官能の扉はゆっくりと開かれていく。


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