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誓いのペンダント
【兄妹相姦 官能小説】

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誓いのペンダント-23

浩之が見ている。失望。憐れみ。そんな目で見てほしくなかった。
 一日中、白木と抱き合う毎日。学校にもろくに行っていない。家にも帰えらない。母は心配しているだろうか。母の顔は浮かんでこない。浩之の顔はいつも思い浮かぶ。浩之とはずっと話していない。唯を避けている。あんなことがあったのだ。きっと、唯のことを軽蔑しただろう。
 まだ、浩之の視線を感じる。唯の妄想。それは、わかっている。だが、最近は妄想なのかどうかわからなくなってきた。白木と抱き合っている時は、いつも浩之が見ているような気がし、唯は激しく燃え上がってしまうのだった。
 唯は目を開けた。夕方ぐらいだろうか。時間の感覚も曖昧なものになってきている。隣に白木が寝ていた。白木は痩せた。死人のようである。白木は唯と会う前から薬を使っていたらしい。使う量も唯とは比べものにならない。白木はもはや、人ではなくなってきている。訳のわからないことを言い。ひたすらに唯の体を求めてくる。獣でも、もう少し利口だ。
 でもそれは、唯も同じなのかもしれない。唯は白木がくれる薬で生きているようなものだ。薬が切れた時は、猛烈に体がだるくなる。何もする気がおきない。そのくせ、頭は不安でいっぱいになる。頭の中に誰かいるような感じ。かきむしっても取れない。頭をカチ割って、取り出したくなる。
 浩之の視線はまだ、消えない。その視線は、憐れんでいるようなでもあり、笑っているようでもある。浩之は愚かな男だった。いつも、兄というのにこだわっている。いや、とりつかれていると言うべきか。だから、肝心なところが見えないのだ。本当にして欲しいことをしてくれない。わかって欲しいことをわかってくれない。
 唯は転がっていた薬を掴むと、思いっきり飲み下した。すぐに効いてくる。カッと目が見開き、やる気が出てくる。それでも、昔みたいには効かない。
 浩之に会いに行こう。浩之にも同じ苦しみを味あわせてやる。そう思うと、唯は白木の部屋を出た。


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