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花びらとナイフ
【その他 官能小説】

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花びらとナイフ-4

 男は私の前に跪き、私の両膝の間にナイフを差し入れた。その刃は上を向いている。
 私はチラリと男の方を見た。彼も私を見た。
 縦に切り裂かれたスカートの隙間をたどって、切れ味抜群のナイフの刃が白い太股の間を上昇してくる。
 やがてそれは到達するはずだ、私のもっとも敏感なその部分へと。
 来る…。
 上昇は止まらない。
 来る…。
 銀色に鈍く光る刃が、私の股間めがけて近づいて来る!
 あと数センチ。
 来る。
 数ミリ。
 来た。
 「あぁ…」
 ついに危険な刃物がパンティの中央部に接触し、なぜか私はため息のような声を漏らした。
 このまま上昇を続ければ、私のその部分はもちろん…。
 「動かないで。ホントに動かないでね、大変なことになるから。」
 私はコクンと頷き、息を止めて静止した。
 スー。
 「え…」
 ナイフがパンティの中央を縦に滑った感触がはっきり伝わってきた。
 「な、何をしたんですか!」
 私は慌てて自分の股間を覗き込んだがよく見えない。
 「ほら。」
 ナイフの横面を手鏡の代わりにして、男が見せてくれた。
 「そんな…」
 パンティの布がスパッと切り裂かれ、最も見られたくない部分だけが露出していた。痛みは全く無い。谷間のわずかな窪みに沿ってパンティだけを切ったというのか。
 スカートを切り裂き、ボタンを飛ばし、髪を事も無げに切り落とした鋭利なナイフを以ってすれば、パンティの布切れ一枚など無きに等しいのかもしれない。しかし、私を全く傷つけなかったその腕前は神業レベルではないだろうか。
 「上手いだろ。どうしてだと…」
 「いっぱい練習したんですよね。」
 「その通り。何度か失敗したけどね。」
 「う…」
 「トータルで成功率7割ぐらいかなあ。」
 「…。」
 改めて怖くなり、股間がゾワっとなった。
 「その甲斐あって、超ギリギリを掠められるようになったよ。見てごらん。」
 差し出されたナイフの刃に、白濁した液体が僅かに纏わりついている。
 「刃についてるネバネバ、何だろうねえ。」
 「や、やめて下さい。」
 「ホントにギリギリだろ?」
 「ホントにギリギリです。ええ、もう分かりましたから、そんなもの、見せないで!」
 「何でこんなものがパンティの中に有るんだい?」
 なおもしつこく迫られて、私は半ばヤケになって正直に答えた。
 「ナイフがここに近づくにつれてどんどん怖くなっていって…。でも、それと同時に、何だかよく分からないけどその周辺がジンジンして…気づいたら出てたんです。」
 男は大きく二回頷いた。
 「それはつまり、君は刃物がその部分を傷つける予感に性的興奮を感じた、ということだね。」
 「…そ、そうなりますね。」
 どうなってるんだ。どうなってしまったんだ。どうなってしまうんだ、私は。刃物が迫ってくる恐怖でエッチな気分になって体が反応してしまうなんて。
 「さあ、ご挨拶しようか。」
 「は?」
 「ナイフと君のそこがだよ。」
 「え…ま、まさか!?」
 ナイフがさっきと同じ軌跡を描いて太股の間を上昇してきた。
 「ひぃ、やめ、やめ…」
 そこはもう、剥き出しなのだ。パンティの布一枚すら無い。そこにナイフが当たったら…。
 「やめてー!」
 ピタ、っと寸前で止まった。と同時に、一滴の液体がナイフの刃の上に垂れ落ち、それは糸を引きながら床に落ちた。
 私は左の頬をピクっとひきつらせながら男を見た。彼は口元だけが微かに笑っている。
 「も、もう、ビックリしたじゃ…」
 スイ。
 ナイフが動きを再開した。
 「うわっ!」
 私は今度こそ激痛を覚悟した。が。
 ひやりと冷たい物が谷間に軽く挟まる感触しかなかった。
 「背の方だよ、刃じゃなく。さすがに、ねえ。」
 ふぅ、と息を吐いた。
 「さすがに、ですよねえ。」
 「ははは。」
 「あはは。」
 二人は笑った。その直後。
 「ぐ…」
 私は腰をガクンとさせてしまった。
 「そんな…」
 ナイフの背が、私の谷間に強く喰い込んで来たのだ。
 「そんな…こと…」
 そう言いながら、私は自分から少し足を開いた。それに誘われるように、ナイフはさらにめり込んできた。
 「あはぁ…」
 ため息のような声が、思わず漏れた。
 ナイフはかなり薄い。つまり、簡単に深い所まで喰い込み、秘肉の谷間に鋭くめり込んでくる。
 「あぁ…」
 それなのに、ああ、なんということだろう。私は知らず知らず、膝を曲げて自分から体重を掛けていたのだ。
 「ダメだよ。刃の方だったら大惨事になってるところだよ?じっとしててね。」
 「ご、ごめんなさい。」
 何を謝ってるんだろう、私は。少しだけ冷静な思考が戻った。
 「こういうのはどうかな。」
 ナイフがゆっくりと前後に動き始めた。私が分泌した粘液でそれは滑り、谷間の内側や底に、金属の擦れる感触を伝えてきた。
 「あ、ああ…」
 スゴい…。指で弄るのなんて、遊びにもならないと思えるくらいの強烈な刺激が、下腹部にジンジンと響き渡った。背の方だとはいえ刃物で擦られ、その恐怖が私に倒錯した快感を…。
 「う、うふぅ…んんっ…あはぁあぁ…」
 抑えきれない声が漏れた。


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