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シルビア
【青春 恋愛小説】

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シルビア-16

 「私のおっぱいが興奮する程良くないって言ってるのかと思った」
 「それもあるかもね」
 「馬鹿」
 「今度その透ける服っていうのを着て又私とデートしてくれないかな」
 「竜太郎に聞いて」
 「何で?」
 「もう欲しい物無いの?」
 「さあ、パソコンがあれば他には何も要らない」
 「竜太郎君、そんな欲の無いこと言っちゃいかんよ」
 「へ?」
 「パソコン買うと他にもいろいろあるんじゃないのか?」
 「いろいろって?」
 「良くは知らんが、キーポートとかマウスとかって言うじゃないか」
 「ああ、キーボードね。キーボードもマウスも付いてるんですよ、さっき買ってくれた奴に」
 「付いてない奴にすれば良かったな」
 「さあ、モニターが付いてないとかOSが入ってないっていう奴はあるけどマウスとキーボードはみんな付いてると思うな」
 「それじゃそのモニターとOSっていうのを買ってやろう」
 「へ? だからあのパソコンにはモニターが付いてたでしょ? OSも入ってるんです。OSなんて自分で入れられる程詳しく無いですよ、僕は」
 「そうか。それじゃ何か無い奴は無いのか、ケースとか」
 「ケースねえ。カバーだったらあるけどそんなの要らない」
 「それじゃもう1つバソコン欲しく無いか?」
 「2つも置く場所が無いですよ」
 「棚を吊ればいいじゃないか」
 「棚を吊ってそこにパソコン置くんですか? 首が痛くなりそう」
 「高い椅子を買えばいいじゃないか」
 「姉ちゃんあの服着て店に行けば? おじさん余程見たいらしいから」
 「いやいや、それはいかん。それはいかんよ」
 「どうしてですか?」
 「他の客も見るなんて許せん」
 「でも僕は見たけど」
 「竜太郎君は弟だからいいの」
 「見ても減るもんじゃ無いですよ」
 「それは女を口説く時に言う科白だよ」
 「見ても減るもんじゃ無いから見せろって口説くんですか?」
 「いや、やっても減るもんじゃ無いからやらせろって口説くんだ」
 「なーるほどねー。参考になるな」
 「そんな科白で口説かれる女はいないよ、竜太郎」
 「そう?」
 「当たり前よ」
 「じゃ何て言えばいいの?」
 「好きだからやらせろ」
 「単刀直入だね。でも説得力は無いと思うけど」
 「分かったら自分で考えなさい、口説き文句くらい」
 「デートの話はどうかね。考えてくれんかね」
 「まあ考えておくわ。それより今日はこの後どうするの?」
 「そうだな。出来れば飲みに行きたいんだが」
 「高校生連れて?」
 「何処に行ったってジュースくらいあるさ」
 「僕はウーロン茶の方がいい」
 「ウーロン茶もある、ある」
 「それじゃ唄の歌える店に行って歌って来ようか」
 「おお、そうだ。そうしよう」
 「そんな服着て唄なんか歌って恥ずかしく無いの?」
 「何で?」
 「服だけプロ歌手みたいに見える」
 「服だけってどういう意味なの?」
 「姉ちゃん、唄なんか上手く無いだろ」
 「姉ちゃんの唄聞いたこと無い癖に」
 「私も聞いたこと無いな。シルビアは店では全然歌わないじゃないか」
 「聞かせるの勿体ないから」
 「だといいんだけどね」
 「竜太郎、聞いて驚くんじゃないよ」
 「わー、驚いた」
 「聞いてから驚きなさい」
 「いつも便所で鼻歌歌ってるじゃないか。あんまり上手いとは言えないよ」
 「あれは歌ってるんじゃない。唸ってるだけ」
 「唸ってる? うんこが出てくるように?」
 「そうよ。それが唄に聞こえるっていうんだから実力の程は大体想像出来るでしょ」
 「臭そう」
 「馬鹿」


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