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シルビア
【青春 恋愛小説】

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シルビア-15

 「素直に美人だねって言えなくてやたらに美人に食ってかかる男がいるんだよ。そうするといつも褒められ慣れている女には却って効果があるとでも思うんだな。しかしそんな手が通用するなんてことは無いんだがね」
 「ある訳無いわ、そんなの」
 「そう。それでもそういう奴はいるだろ?」
 「いるわ、確かに」
 「へーえ。素直じゃ無いんだね」
 「竜太郎と同じよ」
 「僕と?」
 「そうよ。姉ちゃんのことブスだなんて言う男は1人もいないのよ。竜太郎くらいのものよ」
 「僕はブスだなんて言って無いよ」
 「言ったじゃない」
 「言ってない。田丸も姉ちゃんも酷いって言っただけだ」
 「同じじゃないの」
 「大体弟に向かって美人かなんて聞く姉がいるか」
 「弟に聞いたらいけないの?」
 「僕が他人になったつもりで美人だよって答えても意味無いじゃないか」
 「それはそうだけど・・・、あっ、真似したな」
 「今頃気付いてる」
 「本当に減らず口になったんだから。純子ちゃんの前に出ると借りてきた猫みたいになっちゃう癖に」
 「見たようなこと言うなよ」
 「見なくても分かるわ。1発ぶち込んでヒイヒイ言わせてみなさい。そうしたら褒めて上げるから」
 「呆れたな。それが女の言うことか」
 「男になんなさい。母さんの息子で姉ちゃんの弟とは思えない」
 「母さんと姉ちゃんが悪いんだ」
 「どういう意味?」
 「2人とも普通じゃないから女性恐怖症になったんじゃないかと思う」
 「何が女性恐怖症よ。聞いて呆れる」
 「そうだ。僕は女性恐怖症だったんだ。不幸な環境で育ったから」
 「竜太郎君くらい幸福な環境は無いように私には思えるけどね」
 「それじゃ代わって上げますよ、いつでも」
 「出来たら本当にそうして貰いたいもんだよ」
 「美人、美人って騒ぐけど美人皮剥きゃ骨ばかりって言うの知ってますか?」
 「ハッハッハ、これは傑作だ。高校生にそんなこと教わるとは思わなかった」
 「昔の人はいいこと言ったでしょ?」
 「こら、図に乗るんじゃないの」
 「母さんと姉ちゃんに囲まれて、このまま行くと今にホモになるかも知れない」
 「何がホモなのよ。あんなエロ雑誌ばかり見てる癖に」
 「あっ。あれの何処がエロ雑誌なんだよ。健全な芸能情報誌じゃないか。裸の写真なんて1つも載ってない」
 「芸能人なんてブスばっかりじゃないの。姉ちゃんの写真の方がよっぽど立派なピンナップだわ」
 「姉ちゃんの写真見てマスかけって言うのかよ」
 「えー。竜太郎あんな雑誌でマスかいてんの?」
 「いけね、まずった」
 「驚いた。竜太郎誰が好きなの?」
 「パイレーツ」
 「パイレーツ? パイレーツってどういう意味か知ってるの?」
 「さあ、海賊っていう意味なんじゃないの?」
 「何であれが海賊なのよ。あれは2人で屈んでおっぱいの谷間見せて、はい、おっぱいの列ですよって言うんでパイの列、パイレーツ」
 「本当?」
 「本当よ」
 「そうだったのか」
 「姉ちゃんのおっぱいの方が余程大きいのに」
 「大きさだけじゃ無いんだ。形も重要なんだ」
 「形だって私の方が余程いい」
 「テレビに出れないからって僻むんじゃないの」
 「誰が僻むのよ。あんなのと比較されたくないわ」
 「自分で比較してんじゃないか。僕は別に比較なんかしてないよ」
 「ああそうか。この間透けた服着たから姉ちゃんのおっぱい見たでしょ? パイレーツより余程いいでしょ?」
 「さあねえ。姉ちゃんのおっぱい見て興奮したら変態だよ」
 「それどういう意味?」
 「だから自分の姉さんに性的な関心を持つなんて正常じゃないだろ」
 「ああ、そういう意味か」
 「どういう意味だと思った?」


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