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疼きに喰い込む赤い縄
【その他 官能小説】

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狂気-3

 彼は私の心臓を狙うかの様に銃を構えたまま動かない。針の先端は私の乳首から数ミリの所にある。引き金に指は掛かっていない。
 私の指先にボタンらしき出っ張りが触れた。これを押せば…これを押してしまえば、またとんでもない電撃が、私の乳首を意識が飛びかけるほどの凄まじい痺れで蹂躙するのだ。
 「そんなバカなことを…」
 ボタンに触れている指先に力が入った。
 「するわけ…」
 バチィ。
 「ぐあぁっ!くうぅぅぅっ!」
 私は胸を反らし、身を捩って耐えた。
 バチバヂィ。
 「くはぁああっ!」
 もう一度。
 乳首の先端がジンジン痺れて、快感の余韻を伝えてくる。
 「杉本、もう一セットあるんだが、どうする?」
 ワニの口のようなギザギザの入ったクリップとケーブル、そして青いアンチスタティック・ガン。
 「どう、とは?」
 彼の視線の先に答えがあった。
 クリップを持つ手が私の股間に近づいてくる。
 「まさか…。」
 それは予想通り、赤い縄を咥え込んでいる下の唇の片側に噛み付いてきた。
 「う、うう…」
 キリキリ、キリリ。
 「ぐぅ…」
 締め上げられ。
 「はい、これ。」
 左手にもリモコンを持たされた。金属製と思われるその冷たさが、かえって熱い予感を駆り立てる。
 伊巻は、空いている方の唇にガンの針先を向けた。
 「いくらなんでも、そんなところに自分で電気を流すわけ…」
 「無理するな。やりたいんだろう?いったいどれだけ痛く、どれだけ気持ちいいのかを試さずにはいられないんじゃないのか?」
 「そんな…わけ…」
 左手の人差し指が震えている。
 彼の言う通り、いったいどれだけの激痛がそこに走るのだろう。針先に凝縮された電撃が下の唇に落雷し、潤んだ谷を渡って反対側の唇に噛みついているクリップへと抜けていくのだ。ただで済むわけがない。
 「さあ、やれよ。」
 一つの銃は左の乳首に向けられ、もう一つはネットリ湿った下の唇を狙っている。
 指先がボタンを探り当てた。
 これを…これを押してしまったら…。
 「ぐあぁっ!あうぅ…かはぁっ!うぅううぅ…」
 私は、何度も何度もボタンを押した。左手だけではない。右手が握りしめているリモコンも。
 「あうぅ!あはぁ…、ぐあ、あ、ああっ、くぐぅ…」 
 下の唇が引き千切られんばかりに激しく痺れ、乳首は飛んでいきそうなほど蹂躙されている。
 「く…あ…あ…あはぁ…ああ…かはぁ…ぐうぅうぅ、うぅ、うはぁ…」
 私は今、ギシギシと股間に喰い込んでくる赤い縄で宙に吊るされ、大きな結び目に谷間を擦られ蕾を殴り付けられ…。ギザギザの電極クリップに乳首と下の唇に噛み付かれ、鋭く尖った針先からの激烈な電撃スパークを、自分でボタンを押して乳首の先端と秘肉の谷に喰らい続けている。
 なんという、ああ、なんという…。
 「どうだ直香。イきそうか。」
 「ま…まだ…ま、だ…」
 「イきそうなんだろ。さっさと落ちろよ。」
 「そう…よ。体中にギリギリと苦痛が走り…それがワケの分からない…ゾクゾクとする快感…になって私を満たし…今にも…弾け飛びそう…」
 「飛べよ。イってしまえ。ラクになるぞ?しかも、その瞬間は今の何十倍も気持ちイイ思いが出来るんだ。」
 私は唇の端に笑いを貼り付けた。
 「こんな…」
 「ん?」
 「こんな…もんじゃ…ない」
 「何が?」
 「快楽に溺れさせられ…裏切らされた…女の嘆き…」
 「何を言っている?」
 「女を寝取られ…悲しみに…くれた…男の慟哭…」
 「なんだ、それは。」
 「私は裏切った…女。あなたは裏切られた…男。」
 「だからなんなんだ。」
 「女は…私は罰を受け、男は…あなたは罰を与える…。でも、それは同時に…同時に…」
 「ワケが分からん。気持ちよすぎて錯乱したか。」
 伊巻がリモコンを操作した。
 ドサリ。
 全ての縄が一気に緩められ、私は乱暴にベッドに落とされた。
 「くあぁっ!」
 落下の衝撃で縄やクリップが擦れたり引っ張られたりして全身に複雑な激痛が走り、私は危うく絶頂を越えかけた。
 「はあ…、はあ…」
 「ほう、なかなかのもんじゃないか。」
 背後から声がした。いつのまにか後ろに回られていたようだ。
 「いいかっこうだな、直香。後ろから全部丸見えだぞ。」
 おそらく伊巻には、腕を後ろで縛られたカエルのような無様な姿に見えているだろう。私は膝を突いて上体を前に伏せ、顔をベッドに擦り付けた姿勢になっている。
 「だが、もっと剥き出しにしてやる。」
 そう言うと、彼は手早く私の腰骨のあたりに新たな縄を掛け、吊上げた。
 グイィ。
 「くっ…」
 それ自体はたいして痛くは無い。しかし、腰を持ち上げられたことで尻を突き上げる形となり、私のその部分はさらに伊巻の視線の先に剥き出しに晒され、その恥辱が私を悦びに震えさせた。
 「見事な縄筋が刻まれたな。相当な圧力で喰い込み、擦られた証拠だ。そしてここ。あれだけ電撃を受けたのに、緩んでいないどころか、むしろ引き締まっている。たいしたものだな、杉本直香。」
 「浜浦直香よ、私は。」
 「…そうだったな。」
 ブィン。
 伊巻は手にした電マをこれ見よがしに一瞬だけスイッチを入れた。


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