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恋のMEMORY
【少年/少女 恋愛小説】

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四度目の恋-8

暗闇に包まれた夜の公園、時刻は7時を回っている故、人もほとんどいず、街灯だけがポツリと俺たちを静かに照らし。

「何だか少し青春だなぁー、今までだったらこの時間お祖母ちゃんと食事して、テレビ何て観てたんだけどなぁー。」
「たまには良いだろう、息抜きつーか。」
「そうだね、さっき電話して少し遅れるって言ったら大丈夫だって言ってくれたし。」
「そっか…。」

俺も彼女もまだ未成年だ、遊び盛りなのだから。

「それで、話って何?」
「……。」

先ほどまで子供のように無邪気な声ではしゃいでたクセにここに来て少し落ち着いた口調となり。

俺は意を決して口を開く。

「なぁ!」
「うん?」
「水原さんは俺の事どう思ってる?」
「え?」
「…まだ気持ちは変わってない?俺が好きだという。」
「……。」

突然の質問に開いた口が塞がらない彼女。

「佐伯君…。」
「………。」

俺の質問に驚き、そして目線を下に下ろし、そして少しの間の後答えた。

「…最初に出会って、見た目はチャラいのに、中身はとってもしっかりしていて、その…まぁーギャップと言ったらアレなんだろうけど、その人柄に惚れた。それから私なりに勇気を振り絞って貴方に接近してそして分かったの、やっぱり私の目に狂いはないって。」
「それじゃー。」
「うん。けど貴方は私に振り向いてはくれない、けどそれは決して責めてる訳じゃない、片想い何て仕方がない、ほとんどがそうだ、一歩的な恋で終わる。だけど私はそれでも構わない、貴方とこうして居られるんだもの、本来ならしつこく付きまとって煙たがれても不思議じゃないのに。」
「そんな事ない!君にはとても感謝してる!買い物やこの前の洗濯に親を食卓に連れ戻すよう親父と妙子さんの背中を押してくれた事。」
「ありがとう。貴方はそうやって私に言ってくれるだけでなく、この前は私の買い物に付き合ってくれて、今日に至っては私が行きたがってた動物園に連れてってくれて。」
「嬉しかった?」
「勿論だよ!もう天にも昇る想いだった。」
「…そっか。」

やはり、誘ったのは正解だったか。

「けど、そんな幸せも、もう長くはない。」
「…引っ越すんだよな、お婆さんの治療の為に、埼玉に。」
「っ!!」
「ゴメン、盗み聞きするつもりはなかったんだが。」
「……そっかぁー、あの時の会話聞いちゃったんだ。」

今ので本音の半分を吐き出した、次は本題の。

「…あれから俺なりに考えたんだ、どの選択が俺にとって、そして君にとって幸せな決断なのかって。」
「佐伯、君…?」
「最初思ったんだ、どうぜ埼玉に、遠くに行ってしまうならこんな感情最初っからなかった事にする、その方が俺も君もお互い悪い思いしないと……、けどそれでも後で後悔して後々引きずったら嫌だって、だから。」
「それって…。」
「うん、水原さん…俺、俺…。」


                 君の事が好きだ!


「っ!!」

ようやく言えた本音。

「俺、今まで誤魔化してきたんだ、自分自身を…、恋何かしちゃいけないって、けどそれは間違いだった、多くの友人にそれを気づかされて、それで……っ!?」

気持ちをようやく解き放つ事が出来た嬉しさから口からどんどん話が流れだしてきて。

そんなベラベラ話していると、彼女の瞳から涙が溢れ出してきて。

何だ

まさか!……俺は、また。

浮かれあがってすっかり忘れてしまった。ここで告白しても、もう二度と会えない…その現実を…。

不意に全身から一気に冷や汗が湧き出る。

俺は、俺は…また。

「佐伯君……。」
「っ!」

そして彼女はゆっくりと口を開け、俺に言葉を投げた。



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