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僕は14角形
【ショタ 官能小説】

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僕は14角形-29


21

「う〜ん。やっぱワンピの方が楽だなあ」

 詩音は登校する道のりを不器用に歩きながら綿星に話しかける。

「あんたの場合の一番の不自然が胸なんだから。ギャザーが入って胸の形のわかるようなのは姫乃先輩みたいに『どぎゅ〜ん』という女子の専門よ。しかし、確かに服の種類は必要ね」

 綿星は珍しくスカートだけど、黒いストッキングと合わせてあいかわらず顔と首筋、肘から先にしか肌を見せない。

「その件なら姫乃先輩がブティック回りしようって怖ろしいことを言っていたよ」

「ふむ。あまりサイズをどうの、丈の長さをどうのというのはまずいわね」

「セイユーやヨーカドーで充分なんだけどなあ。いや、ネットで通販…てのもめんどくさいなあ」

 今日はiPhoneに小さな雨のマークが出ていたので、そう言うと綿星は巨大なこうもり傘を持って来ていた。まあ、確かにこの身長差を考慮するとベストな選択だ。

「それから、部屋もなんとかしなくちゃね。いまのままだとヒキコモリのオタクでニートの変態で犯罪者でソフ倫ゲームに夢中になっているみたいだから」

「その通りだよ!だから、いいんだよあのまんまで!」

「カーテンの柄とか、カーテンとかベッドとか。うふふふふ。ぬいぐるみまで用意しちゃってえ。それに服を買うとなると家具だって必要だし。なにしろ草冠と姫乃先輩が用意してくれるって言うんだから、お金の心配は全然ないわけだし。いいでしょ?」

 僕は芥川龍之介みたいに「将来に対するぼんやりとした不安」に襲われた。

「女になったって事、忘れないでよ」

「ああ、それだけど」

 僕は大量に積み重なった疑問の一つを思い浮かべた。

「いちごや姫乃先輩はいいとして、なんで寮母さんが知っているの?」

「あら、そうだ。知らなかったの?彼女、『草冠』よ」

 僕は歩道の段で倒れそうになった。よろけた身体の腕を綿星ががっちり掴む。

「けっこう有名な画家でもあるんだけど。彼女は『草冠衣良』って言ってね、いちごのお父さんの兄弟の末っ子になるわ」

 僕は混乱してますます内股が崩れてしまう。

「ほら、校門よ。今日は大分楽だろうけど、話しかけないで。集中しているから」

 綿星は石畳を踏んだとたん、冷徹な表情になった。

「あれ〜、詩音、昨日と同じ服。お泊まりだったのね」

「で、何回ぐらいHしましたか」

 知らなかった。女子が裏で話し合っていることの恐るべき内容に初めて触れた。真面目そうな眼鏡の女子が言った。「避妊は女子のたしなみよ。ゴムは必ず着けなさい」と指をさして言い切った。

 これがあの、優等生で清廉な雰囲気の大人しい女子だったなんて。

「ぼく、経験無いから大丈夫、その点は」

 優等生の女の子がトカゲのような笑いを浮かべる。

「趣味はセックスでしょ。正々堂々と宣言したんだから猫を被るのはやめてね」

 盛大に女子のみんなが笑う。

 綿星の力は変に歪んで現実となった。

「胸はないけど、それだけのプロポーションと美貌なら、言い寄る男は数知れず」

「へへへ、昨日見ちゃった。かっこいい彼氏じゃない」

 お前ら超能力者かよ!そこら中に眼が付いているんだな。百眼の巨人「アーガス」か。俺も古い趣味しているなあ。
 先生がやってくると、今までの卑猥かつ礼儀知らずの女子集団はあっという間に慎ましい女子生徒に変身してそれぞれの机に腰を下ろした。
 確かに、早急に服を調達しなくてはならない。男と違って、よく考えると女子は毎日着ている服装が事なる。「いくらあっても多すぎることはない」って言う綿星の意見は真実だった。
 それから休み時間にも、男子が僕を見る目が違っているのに気が付くのにそう時間はかからなかった。まるで刺すような視線。黎明学園には高等部は四学年いるわけで、僕が移動するとき、図書館に行くとき、ちら見しながらこそこそ喋る奴、ガン見で僕の足を凝視する奴。「ぼんやりとした不安」どころではない。

 美術室のかたすみに逃げ込んだ僕は、客観的に考察してみる。
 「新入生に抜群の超美少女が現れた」という世間的なゴシップは、僕は「ぼんやりした不安」のその先を本気で考えるのには充分な理由だ。
 とにかく潜蛇ダウン一杯で急速潜行。圧搾を恐れるなって、全タンクネガティブブローで最大出力。水上には大量の対潜艦隊が待っている。


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