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恋のMEMORY
【少年/少女 恋愛小説】

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信頼-4

「有難う御座いました!」

バイト初日、基本引っ込み思案で臆病で、尚且つバイトをする事自体人生で初めてな私にとってこの日程忙しく大変だった日は他にはない。

もう身支度から手洗い殺菌、挨拶の復唱、店の清掃に整理整頓、品出しに前出し、店長から教わる事が思いのほか山のようにありとにかくとても地獄のように忙しかった。

閉店18時よりちょっと前の時間、恐らく最後のお客を見送った後、お互いに空気の入ったバルーンを抜くかのように力が抜けて。

「いやー今日は結構な客だったね。」
「はい!まさかこんなにキツイだった何て。」

まぁ、働いてお金を貰うと言うのは決して容易な事ではない、それを今回思い知らされた
一日だった。

「おははっ!お疲れさん、良く頑張ったね。」
「小鳥遊、先輩……。」

包み込むような優しい笑顔で私に労いの言葉を掛ける彼、その人柄優しさはあの日、雨の日とまるで変わらない。

私の心がキュンとするのが分かる。

「せ…先輩の、お陰です。」
「え?」
「小鳥遊先輩が色々と教えてくれたから。」
「…。」
「あんなに忙しくて一分一秒も惜しいくらいなのに、私の為に合間ぬって色々と教えたりはたまた助けてくれたりもして。」

そう、世間知らずでドジな私がここまでいけたのは他でもない、意中の想い人が傍で見守ってくれたお陰。

「そんな事ないよ、君はよく働いた、僕や店長がちょっと教えただけでもう理解してくれて、それからは色々と気を利かせてくれて、むしろ助けられたのは僕の方だよ。」
「先輩…。」

あぁ、時よ…このまま止まってくれー。

お客ももういない、店長達も事務室で仕事をしていて、今ここには私と彼だけ。

初バイトはとても疲れた、けど彼との会話によってそれらが全て一気に吹き飛んだような気がした。

「そろそろ閉店時間だ、僕鍵取ってくるから先帰ってて。」
「あ!…はい。」

そう言うと颯爽に鍵のある事務室へ行ってしまった。

彼、店の戸締りまで任せられているだ何て。

ますます彼の事が好きになってしまった。


「うーサム!」

18時にあがった事もあり、外もほぼほぼ暗い。

私は仕方がないと思いつつも後もうひと踏ん張りと疲れた体に鞭を打ち、自宅まで向かおうとする。

「あっ、おーい!」

背後から見覚えのある声。振り向くとそこには。

「えっ?」



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