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Sweet Fragrance
【青春 恋愛小説】

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Sweet Fragrance2-2

一時間目のあとの休み時間、廊下を歩いていると、向こうから達也が歩いてくるのが見えた。あたしはこういう時、気まずいとか言って目も合わさないタイプではない。笑顔で、しっかり達也の目を見て言った。
「おはよ〜、達也。」
達也は目を合わせようとせず、ちょっと頭を下げるようにして、一瞬ですれちがってしまった。うーん。あの様子はまだあたしのコトが好きなんじゃないかなぁ?あたしのカンって鋭いのよ。



昼休みになって、あたしは同じクラスの長谷川泰介に呼び出された。コクられるのね。

「あのさ、ゆかりちゃん。」「なぁに??長谷川くん」
「あのさ、永井が中西と付き合うことになったの、知ってる?」
そっち方向から攻めるのね。達也が次の女みつけたから、お前も自分と付き合えよ、だなんて言うんだろう。次の恋にいくスピードを元彼と競いたいのは元彼に未練があるときだけでしょう?
「そのことならさっき亜希に聞いたわ。どうしたの。」
「あいつ、絶対淋しいから中西と付き合って紛らわせようとしたんだぜ。本当はまだゆかりちゃんの方が中西よりずっと好きだと思う。」
それくらいわかってるわ。ってゆうかコクるんじゃないの?あぁ、達也の友達なのかしら。
「そう、でもあたし達也には飽きちゃったの。」
「もうちょっと永井とつきあってやれよ、マンネリを乗り越えたら本物のカレカノっていうじゃん、お前本物の彼氏作ったコトないんじゃねぇの。」
まぁあなたの言う本物の彼氏は作ったことないわね。だけど彼氏は彼氏。本物ってなによ、面倒な人。
「あたし、好きじゃない人とは付き合わないわ。長谷川くんは、なぁに、達也のお友達なの」
「彼氏のダチくらい把握しとけよ」
ってゆうか何この人、ゆかりちゃんに向かって、よくそんなキツイ言葉言えるわね。
「ごめんね。長谷川くんはお友達じゃないの?」
「……俺はね、中西が好きなの、それだけ。」
なあんだ、そういうこと。さっさとコクりにいけよ!こんなトコにも達也と中西さんの噂に胸キュンな人がいるのね〜、ばかばかしい。

みんな、自分に自信なさすぎるのよ!!


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