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Sweet Fragrance
【青春 恋愛小説】

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Sweet Fragrance-1

私の部屋にはいったいいくつの香水があるのだろう。幼い頃からママが香水を楽しそうにまとうのを見ていて、いつか私も香水好きになった。ボトルのかわいい、甘い香りの香水を、小学生の頃からお小遣いをためて買っていた。

「おはようっ、まどか」  朝、教室に入って、一番に声をかけてくれるのは親友の未紀だ。
「おはようー、未紀。」
未紀の前を通り過ぎると、未紀が微笑んだ。
「わぁー、今日もいい香りね。」通り過ぎる私からこぼれおちる香は、いつでもクラスメイトを魅了する。いいにおいのする女の子はかわいく見える。こんな当たり前のことになぜみんなは気付かないのだろう。マスカラより、香水だ。私はそんなに可愛いほうではないけれど、わりと男の子たちに人気だ。

人気だからって喜んでるわけじゃない。私にはずっと片思い中の永井くんがいる。サッカー部のキャプテン、背が高くて、さわやかなかんじの茶髪で。もちろん、すごくモテる。先月まで学校のアイドル的存在の、明るくてちょっと抜けてて、笑顔が物凄く可愛い、ゆかりちゃんて子と付き合っていたのだが、彼女に振られてしまった。ということでいま永井くんは一日三人にはコクられている。
「永井は今いちばんの狙い目よね!だけどまだゆかりちゃんのこと忘れられないんだって。ゆかりちゃんもやるわねぇ。」
未紀は微笑んだ。
「未紀は永井を狙ってるの?」
「うーん、まどかよりは想いは弱いと思うけど?」
えっ?私は未紀に永井がすきとは言っていない。身のほど知らずなのはわかっているからだ。
「えっ…未紀、あたしの気持ちがわかってるの?」
「お見通し〜あはは、だってまどかいっつも永井の方みてるじゃん。がんばって!今がチャンスだよ」
今がチャンスかぁー、でも、無理。だってあんなにかわいいゆかりちゃんが彼女だったんだよ?!しかも忘れられないなんて。。しばらく彼女作らないでしょ。
でも。

私は香水にかけよう、と心に決めた。


告白するときは、大好きな、ハート型のボトルの甘い香水をまとおう。そして落とそう……

この香水で失敗したことはなかったから。

永井くんも、もしかしたら。


一週間後の放課後。意を決した私と永井くんは向かい合った。
「あの…!あたし、永井くんが…好き!!」
彼のほうに近寄る。屋上だからよくなびく髪から、甘い香が永井くんにこぼれおちているだろう。
永井くんの目付きがふとかわった。ぎゅっ!私は抱き締められた。

香水効果…?効きすぎだよ!!

「ゆかり…」

永井くんの切なそうな声。
私はすべてを知る。この香水、ゆかりちゃんのと一緒なんだ。なぁんだ。

私は身を退く。
「よく見て。あたしはゆかりちゃんじゃないから…」香りだけを好きになってもらえちゃった。こんなこともあるんだ。香りに頼るのも、善し悪しだなぁ…


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