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危険な自慰
【その他 官能小説】

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湯船の中で揺れる黒い影-1

 体を洗い終わり、湯船に足だけを浸けて縁に腰掛けた。
 いきなり全身浸かってしまうのは体に良くないっていうから、少しずつ降りていこうと思う。飛び込んじゃうなんて論外。まあ、そんなことする人は…。
 「わーい!」
 ジャポーン。
 …居ないわけでもない。
 しかも、勢い余ってつんのめり、頭からお湯に突っ込んでいる。お尻がプカーっと浮いて、見せてはいけない所が丸出し。
 その部分の発育具合や体の大きさから考えて子供には見えない。だとしたら、ずいぶんやんちゃな人だなあ。
 ていうか、ぜんぜん浮いてこない。まさか、溺れてる?
 私は慌ててお湯を掻き分けながら近づき、体を抱え上げた。
 「あ…どうも。」
 意識はあるようだ。よかった。
 「溺れかけてたんですか?」
 「いえ、あのぉ…コケちゃったから恥ずかしくて顔を上げられなかったんです。えへ。」
 もっと恥ずかしい所は水面から上がってたけど。
 邪気の無い、なかなか可愛らしい子だ。金髪のショートヘアの下に光るイタズラっぽい目が彼女の性格を表しているのではないだろうか。
 「ねえ、窓の方、行ってみませんかぁ。」
 「ええ、いいですね。」
 この子に言われると、なんだか断る気になれない。私たちはお湯の中を歩いて窓際に行った。
 何も遮るもののない視界が開けた全面ガラス張りのその窓は、夕闇の空と遠くさざめく海を湯煙の額縁に収めた絵画のように見せてくれている。
 私たちは湯船の端の一段浅くなっているところに膝立ちで並び、窓の外の景色を眺めた。
 「綺麗だなぁ。」
 「そうですね。」
 「触ってみたいなぁ。」
 面白い表現をする子だ。
 「よし、触ってみよう。」
 「え?どうやって…って、はうっ。」
 「ああやっぱりだ。しっとり滑らかでハリがあって…キモチいい。」
 「え、いや、あのね…。」
 お尻を撫でまわされている。
 「イヤですかぁ?」
 「イヤ、というのとは違うけど…なんでそんなこと。」
 「可愛い小動物を見たら撫でてみたくならない?」
 「なる、かな。」
 「可愛い雑貨を見つけたら、手触りを確かめてみたくならない?」
 「なる、けどね。」
 「同じ。」
 いやいやいや。
 「違うと思うよ?」
 「いいじゃない。イヤじゃないんなら、もうちょっと触らせて、おねえさま。」
 「おね…まあ、間違いなく年上だとは思うけど。」
 「おねえさまがダメなら、花の名前で呼んでもいい?」
 「うーん、理由は分からないけど、やめた方がいいような気がする。」
 「そう?」
 彼女はなんだかトボけたような目をしている。
 「ねえ、あなたのことは何て呼んだらいいかな。」
 「ルリカ、です、おねえさま。」
 「ルリカちゃんね。じゃ、私のことは…」
 「おねえさま。」
 メンドクサイ。いいや、おねえさまで。
 「それはいいとして、見られちゃうかもしれないよ、他の人たちに。」
 私たちのお尻は水面ギリギリの高さだ。
 「見えちゃダメ?」
 「…。」
 私は一瞬返事が出来なかった。
 周りの人に見られてしまうかもしれないのに、さっき出会ったばかりの女の子にお尻を撫でられて拒否しない私。
 下腹がジン、とした。


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