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【SM 官能小説】

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宴 〜形〜-7

「ひぎッ!あ、ああ……深い深い深いぃいっ!!」
結合部から淫らな音を響かせ、再び登り詰めようとしながら、智佳は乱れる。
そんな智佳に堪らない愛しさを感じ、胤真は華奢な肢体をぎゅっと抱きしめた。
「ああ、胤真ぁ……」
体の密着がより深い結合を生み出し、智佳は喘ぐ。
「…のっ……のぉっ」
あまりにも小さなその声を、胤真は聞き逃した。
背徳の悦楽に、夢中になっていたせいで。


智佳の愉悦に満ちた表情が決め手となり、真矢も登り詰めようとしていた。
目の前であんなに気持ち良さそうな顔をされては、刺激を受けないはずがない。
胤真の愛撫が巧みなのは、真矢自身が身をもって知っている。
「おっ……兄様ッ……」
ぎゅっぎゅっと芳樹の肉棒を締め上げながら、真矢は切ない声を出した。
智佳の表情が艶っぽすぎて、見ていた真矢は登り詰めるのが早い。
そして、深く繋がりながら抱きしめられている智佳の事を、羨ましく思う。
芳樹は、そんな風に愛しげに抱きしめてくれる事などないから。
―今までは。
「ま、真矢……っ!」
芳樹が、真矢の体に腕を回して来た。
「!」
強く激しい抱擁に、真矢は驚く。
「お兄……様?」

ごぷっ……!

芳樹の肉棒が大きく膨らみ、欲望の凝縮されたエキスを吐き出した。
「……お兄、様」
一瞬、真矢は悲しくなる。
こんな時くらいしか、抱きしめてくれないのかと。
芳樹が我慢できずに射精して自分がイキそこなった分、まだ胤真に抱きしめられている智佳と比べて自分がみじめな気すらしてきた。
「……?」
抱擁が、解かれない。
「お……お兄、様?」
不審を覚えて、真矢は身じろぎした。
「……ごめん、な。いっつも、草薙さんの方ばかりよそ見してて」
ぎゅ、と抱きしめる腕に力が籠る。
「お兄様……」
じわ、と心に温かいものが溢れてきた。
「ほんとに、ごめん……な?」


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